大阪都構想が可決した後に待っているのは、大阪市営地下鉄の民営化となっています。日本には「民営化」と聞くだけで「嫌民営化反応」を起こす人もいますが、ものすごく冷静に会計的な視点から民営化を行うことによってどうなるのかを見ていきます。

東京メトロとの比較

東京メトロを知らない人のために簡単に説明しておきますと、東京メトロとは東京の地下鉄になります。こちらは過去は行政が行っていたのですが、今は民営化されて「東京地下鉄株式会社」によって運営されています。大阪市営地下鉄の東京バージョンと考えてもらえば大丈夫です。違いとしては、大阪市営地下鉄は行政が運営しているものに対し、東京メトロは民間会社が運営ということです。

お金について

結論から書いていきます。1年間でどれだけ「売上」を上げて、それに対してどれだけ「費用」がかかり、そしてそのあとに残ったものが「利益」と呼ばれるのですが、これを式で表すと

売上 - 費用 = 利益

となっています。つまり、1年間でどれだけ儲かったのですか、というものを見るのが「利益」なのです。その「利益」を東京メトロと大阪市営地下鉄で比較してみます。

東京メトロ(平成25~26年度)

利益 = 86,534百万円

読みやすい単位に変更すると、865億円の儲けが出ています。次に、大阪市営地下鉄について見ていきます。

大阪市営地下鉄(平成25年度決算)

利益 = 33,387百万円

読みやすい単位に変更すると、333億円の儲けが出ています。「ふーん、で?」となると思いますが、ここからが本題です。東京メトロにのみ、このあとに続く項目があります。それが「法人税等」です。早い話が「税金」です。

東京メトロ(平成25年~26年度)

利益 = 86,534百万円
税金 = 34,879百万円

つまり、東京メトロは約350億円の税金を支払っているのです(儲けによって金額は変動します)。ところが、行政が運営している大阪市営地下鉄は税金を支払うことはありません。これを、仮に民営化したとして考えてみます。

大阪市営地下鉄(平成25年度決算(予想))

利益 = 33,387百万円
税金 = 13,354百万円(予想)

日本の税率は合計して大体40%と言われているので、今の規模で毎年130億円の税収が見込める計算になります。全く何もないところから、税収が130億円生まれることになるのです。民営化を行い経営が合理化することにより、さらに多くの利益が生み出されると、さらに多くの税収が見込めるのです。

僕たちの生涯支払う税金と比べる

プレジデントフィフティプラス 2008年4月17日号によると、大卒の1000人以上の規模の企業に勤めている人の生涯に支払う税金は5518万円、そして10~99人規模の企業に勤めている人は生涯に3010万円の税金を納めると計算しています。当然大企業に勤める人の方が少数派なので、この数字は加重平均すると4000万円程度になると思われます。平均すると、人は一生で4000万円の税金を納めることになると予想できます。上記の大阪市営地下鉄が民営化された場合に支払われる毎年の130億円を4000万円で割ると、325となります。

つまり、大阪市営地下鉄はたった1年で325人が一生をかけて支払う税金を支払うことが出来るのです。たった1年で、です。この税金は行政サービスに使用されることになるので、明らかに行政サービスのレベルがあがります。

反対意見について

「民営化されたら合理化でサービスが悪くなり、料金が上がる!」と言う人がいます。わけがわかりません。一度東京に行って東京メトロを直接体験されてはいかがでしょうか。これだけ安くて利用しやすい鉄道はどこにも見当たりません。

「外資に売られる!」と言う人がいます。わけがわかりません。東京メトロの株主構成を見てみましょう。政府と東京都です。上場と民営化を混同していませんか?というか、上場しているJR西日本の株主構成は「外国法人等」が31%とありますが、何か困ったことは発生していますか?

まとめ

まとめます。大阪市営地下鉄は民営化することによって毎年130億円以上の税金を新たに生み出してくれます。これは325人分の一生かけて支払う税金を毎年支払う組織が誕生するという意味です。325人分の生涯税収が毎年生み出されます。むしろ、非効率な経営が終わるとさらに利益が増え、税収が増えることになります。市営を続けると、永遠に生まれるはずだった税金は入ってきません。その分は、大阪の人、あなたが代わりに払っているんですよ。こんなに大阪の人にとって良いことなのにやらないなんて、どうかしています。もう一度言いますが、公務員である大阪市営地下鉄が支払わない分の税金は、大阪の人が負担しています。130億円毎年税金があれば、どんなサービスができることやら。大阪の人は、住民投票で賛成を行い、最終的に民営化を行わないと損し続けることになります。