今回紹介する本は、逆境に立ち向かっている人にぜひ読んで欲しいものになります。と言っても実際に逆境に立ち向かっている状況であれば本を読んでいるヒマが無いかもしれませんが。格安メガネを販売していたOWNDAYS(以下、オンデーズ)の再生物語を、社長の視点からほぼ実話形式で振り返ったものになります。位置づけは小説となっていますが、まぁほぼ実話と考えても大丈夫な気がします。

【内容】

著者である田中修二さんはオンデーズを買収する当時はデザイン会社の社長。10代のころから起業し会社を経営し、その立場から企業の売買の話などにも関わりがある状況だった。そんなとき、オンデーズの買収案件に携わっているうちに、「自分が買収して改革すれば、一気に成功するのでは」と考えるようになる。つまり、売上高が大きくて財務状況が絶望的なめがね屋を、社内風土を改革して儲けが出る体質にすれば、一気に成功者の仲間入りという博打ともいえる発想。普通の人間は借金14億円の企業を前にしてその発想が生まれたとしても実行に移すとは思えないが、この社長は実行に移してしまったのでさぁ大変。その日から、オンデーズを再生させるためのドタバタな日常が始まることになる。

【感想】

企業再生がいかに大変かを文章を通して感じることが出来ます。この本を読んで「私も企業再生に携わりたい!」という人がいれば相当な精神の持ち主でしょう。まず僕には難しそうだという感想になりました。ただ、企業再生について割と暗い部分まで詳細に描かれているので、その視点を得るという点では非常に勉強になります。それにしても、この本に書かれている通りであれば銀行って何のために存在しているんでしょうね。僕も職業柄、金融機関の人とは良く関わりがあるのですが、最近よく考えるのは「金融機関の存在価値」です。もはや困っている人には何も手助けせず、全く必要のないところに尻尾を振っているというイメージが定着してしまった日本の金融機関ですが、この先どうするつもりなのでしょうか。まぁ、僕が投資家だとしても再生途中のオンデーズには絶対に投資しなかったと思いますので、何も言えるような立場ではないのですが。

そろそろ今かけているメガネが古くなってきたので、次のメガネを購入するときにはオンデーズの店内を覗いてみようと思います。ベンチャー企業でバリバリ頑張っている人、最近なんだか仕事にやる気が出ない人、企業再生の業務に興味がある人等にはおすすめできる本です。銀行のクソみたいな部分を見せられたので割と低いテンションの書評になってるかもしれませんが、非常におすすめできる本ですよ。