米国公認会計士(USCPA)に合格し、Big4監査法人で働いてます。USCPA情報をメインにリアルな情報を記載。

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国際金融規制

こちらでは、リーマンショックを機に世界中で導入が開始(もしくは厳格化)した金融規制の内容についてまとめていきます。特にこのサイトで取り上げるのは「店頭デリバティブ規制」と呼ばれる、その名の通り店頭デリバティブ取引に関する規制の情報となります。このページでは、各国の規制概要に入る前に、わかりやすくその背景と、どのような規制が課せられるようになったのかを書いておきます。めちゃくちゃ細かいことを覚えても意味がないので、ざっくりと流れが分かるようにしておきます。これから金融機関を志望する人も、これくらいは知っておいて損はありません。むしろこれらを知ることで、他の志望者と差別化が可能です。

背景

日本人には「リーマンショック」でおなじみのリーマンブラザーズが破綻したことを発端として、世界中で金融危機が深刻化しました。この金融危機は実態経済にも悪影響を与え、金融機関とはほとんど無関係の労働者が不景気により失業するなど、世界経済はめちゃくちゃになってしまいました。好き勝手にビジネスを展開して高級をもらっていた金融機関の関係者だけに悪影響があったのならまだ許せるのですが、結果としてつぶれかけた多くの金融機関は公的資金(税金です)で救済され、それらの税金をせっせと払っていた労働者が不景気により解雇されるという悲惨な事態に陥ったのです。

これには労働者もカンカンです。当然世界各国の労働者から「金融機関に制裁を与えろ」といった世論が生まれ始めます。こういった世論に突き動かされ、世界の首脳たちが集まって今後の世界経済などを語り合う「G20」と呼ばれる会合で、世界におけるコンセンサスとして以下の事項が合意されました。

  1. 金融機関がつぶれること自体をなくす
  2. 市場を通じて連鎖的に危機が拡大することをなくす

早い話、金融機関が変なビジネスをしないように規制で業務内容を制限し、かつこれまで規制がかかっていなかった金融商品の市場に対して、規制をかけて安全性を高めようということです。これから僕がまとめようと思っているのは2の「市場に関する規制」であり、金融危機以前は規制がほとんど存在していなかった「店頭デリバティブ」に対する規制になります。

店頭デリバティブ規制

先ほどG20と呼ばれる会合で金融機関に対する規制を強化するという合意がなされたと書きましたが、具体的な内容を金融庁のホームページにある平成21年9月に行われたピッツバーグ・サミットの仮訳から引用してみます。

店頭デリバティブ市場の改善:遅くとも2012年末までに、標準化されたすべての店頭(OTC)デリバティブ契約は、適当な場合には、取引所又は電子取引基盤を通じて取引され、中央清算機関を通じて決済されるべきである。店頭デリバティブ契約は、取引情報蓄積機関に報告されるべきである。中央清算機関を通じて決済がされない契約は、より高い所要自己資本賦課の対象とされるべきである。我々は、FSBとその関連メンバーに対して、実施状況及びデリバティブ市場の透明性を改善し、システミック・リスクを緩和し、市場の濫用から守るために十分かどうかにつき、定期的に評価することを要請する。

出典:金融庁HP

これだけ読んでも専門用語が多く意味が分からないと思いますので、重要な箇所を要約してみます。

  1. 標準化されたすべての店頭デリバティブ契約は、取引所又は電子取引基盤を通じて取引
  2. 標準化されたすべての店頭デリバティブ契約は、中央清算機関を通じて決済
  3. 全ての店頭デリバティブ取引は、取引情報蓄積機関に報告
  4. 中央清算機関を通じて決済されない契約は、より高い所要自己資本賦課の対象

これらの4つに集約されます。これらは規制として「電子取引基盤」「清算集中」「取引報告」「清算集中されない店頭デリバティブ取引に関する資本賦課」と呼ばれています。ちなみに最後の4は、これだけでは効果が不十分だとして、後々に「証拠金規制」と呼ばれる規制により補てんされることになります。これらをまとめると、以前は規制がかかっていなかった店頭デリバティブ取引に対して、以下の規制が課せられることになりました。

  1. 電子取引基盤
  2. 清算集中
  3. 取引報告
  4. 証拠金規制

これらに関して、世界各国(といっても基本はG20のメンバー国)で1~4の規制が導入されることになります。ちなみに日本では上記は基本的に全て導入済みになります。僕がまとめていくのは、世界各国で導入がおこなれている、これら1~4の規制の概要となります。基本的には日本、米国、欧州を中心とする予定ですが、余力があればオーストラリア、カナダ、シンガポールなどの国の規制についてもまとめられればと思っています。

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