米国公認会計士(USCPA)に合格し、Big4監査法人で働いてます。USCPA情報をメインにリアルな情報を記載。

MENU

清算集中

清算集中とは

金融規制について、今回は「清算集中」について書いていきたいと思います。清算集中とはその名前の通り、「清算」を一定の場所に「集中」させる規制のことを言います。英語ではCentral Clearingと書かれるので、日本語では中央清算と書かれることもあります。ここでは、規制に関しては「清算集中」という単語で統一していきたいと思います。では、清算集中とはどのような規制になるのでしょうか。前回にも記載したG20による合意文章を再度引用してみようと思います。

店頭デリバティブ市場の改善:遅くとも2012年末までに、標準化されたすべての店頭(OTC)デリバティブ契約は、適当な場合には、取引所又は電子取引基盤を通じて取引され、中央清算機関を通じて決済されるべきである。店頭デリバティブ契約は、取引情報蓄積機関に報告されるべきである。中央清算機関を通じて決済がされない契約は、より高い所要自己資本賦課の対象とされるべきである。我々は、FSBとその関連メンバーに対して、実施状況及びデリバティブ市場の透明性を改善し、システミック・リスクを緩和し、市場の濫用から守るために十分かどうかにつき、定期的に評価することを要請する。

出典:金融庁HP

このG20による合意文章のうち、標準化されたすべての店頭デリバティブ契約は、適当な場合には中央清算機関を通じて決済されるべきである、という箇所がありますが、この文面が、G20が各国に清算集中という規制を導入しなさい、と要請していることを意味します。もちろん合意したことなので、この合意に基づいて各国で規制が導入されることになります。では、どうして清算集中という規の導入がG20で合意されたのかを知るために、リーマンショックが発生した際に、どのような問題が発生したのかについて書いていきます。

規制導入前

リーマンショックが発生した際、電子取引基盤でも説明しましたが、デリバティブ取引は基本的に相対で行われていました。いわゆる店頭デリバティブ取引と呼ばれるものです。金融機関同士が直接電話やFAXで連絡を取り合って、そのまま取引を執行することが大半を占めていました。

このように、市場参加者が相対で取引を行い、相対で決済していました。ところが、この状態でどこかの金融機関が破綻してしまうと、その影響がすべての金融機関に波及してしまうのが分かると思います。例えば、上記の図の「A」の金融機関が破綻すると、その取引相手であるB、C、Dのすべての金融機関に影響がでることになります。この「A」の金融機関が破綻することによって、もし仮に「B」の金融機関が「A」からの入金を待ち望んでいたとすると、「B」の金融機関も破綻するかもしれません。ではその「B」と大規模な取引を「C」が行っていたら・・・?という具合に、店頭取引は1社が破綻すると、その1社との決済が行われない他の金融機関全てに甚大な影響を与えることになるのです。連鎖倒産といわれる現象ですね。

清算集中の導入

そこで、一定のデリバティブについて決済(清算)を一か所に集中しようG20で合意がなされました。これが清算集中です。清算集中では、比較的流動性が高い(皆が頻繁に取引している)店頭デリバティブ取引について、中央清算機関と呼ばれる機関で決済を行う必要があります。

こうすることにより、仮に「A」が破綻したとしても、それ以外のB、C、Dの金融機関は中央清算機関を通して取引を決済することができるので、「A」が破綻するというリスクを負うことがなくなるのです。これが清算集中の概念です。ただこの中央清算機関(CCPと言います)は適当な業者に任せるとその中央清算機関が破綻すると大変なことになるので、当局が承認した業者のみ中央清算機関としての業務を行うことが可能です。

これで、清算集中の説明を終わりたいと思います。

PAGETOP
Copyright © USCPA日記 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.