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無形資産2

USCPAの勉強。無形資産についてその2。

■Intangible Asset

前回はIntangible Asset(無形資産)の概念や計上方法について書いてきました。今回はIntangible Asset(無形資産)に関するトピックとしてR&D(研究開発費)を確認していきたいと思います。

■R&D(研究開発費)とは

R&Dとは、Research and Development Costを略したもので、日本語で言う研究開発費になります。例えば製造業や製薬業を考えた場合、企業活動を続けるためには新商品の開発や新技術の研究などが必要となります。その開発や研究を行った際に発生するような費用のことをR&D(研究開発費)といいます。

■会計におけるR&D(研究開発費)のルール

会計処理に関するR&Dの基本的なルールは割と単純です。基本的に、全てその発生した会計期間でExpenseとします。これは、収益にかかった費用は該当する期に計上するという会計の考え方に基づくと、研究開発費にかかったコストというのは、一体いつ時点で収益になるかハッキリと断定することが困難です。さらに、そのかかった費用がどのように収益に結びついているかを確認することがほぼ不可能だと思います。

■R&D(研究開発費)の範囲

R&Dに関するテスト問題としてありがちなのが「期中に色々な企業活動を行いましたが、さて今期のR&Dはいくらでしょう」というものです。この問題を解く際に重要となるのが、どの活動がR&Dに含まれるか、含まれないかの判断となります。R&Dに含まれないものは数点あります。以下で1つずつ説明していきます。

  1. 自社のためではないR&D
    こちらは、他社や公的な機関から依頼を受けて研究開発を行うことを意味します。その研究開発によって他社からの収益が確認可能なため、こちらにかかった金額は資産として計上し、その後に収益と対応するように費用として計上していきます。Amortization expenseですね。但し、USCPAの試験においてはこちらの処理よりは「購入したR&D用の設備」のほうが重要となります。
  1. 購入したR&D用設備
    R&D(研究開発)のために他社などから購入した設備は、基本的に購入した期にR&D Expenseとして全額費用計上を行います。この処理は購入した設備がどれだけ高額でも変わらず、一括でその期に費用計上ということです。ただし、その購入した設備が研究開発だけでなく、他の業務にも使用できる場合(これをAlternative Future Useといいます)には、設備の購入であるため資産としての計上となります。会計処理としては通常の固定資産(Fixed Asset)のように減価償却を通して費用計上します。

※Alternative Future Useが可能な設備の費用に関しては、その設備がR&Dのために使用されているときはその設備に関する減価償却費がR&D expenseとして計上されます。そのR&Dが終了し、その後に製造活動等に使用された場合、その減価償却費はManufacturing Overhead(製造間接費)として製造原価の一部となり、最終的に商品が販売された際にその売上原価として費用に計上されます。

 

■R&D(研究開発費)具体例

R&Dの活動において、わかりやすい具体例をあげるとすれば、Computer Softwareの開発があげられると思います。企業が実際に行うComputer Softwareの開発からその販売までの一連の流れを通して、活動のどの段階が、会計上のどのような科目になるのかということが試験に取り上げられます。つまり、活動のどこまでがR&D費用で、どこからが資産に計上するのかという点が重要になります。

■R&D(研究開発費)の範囲

Computer Softwareを具体例にあげると、R&D(研究開発費)に含まれる範囲は、そのComputer Softwareの研究開発を開始してから、「Technological feasibility」が達成されるまでとなっています。「Technological feasibility」は、わかりにくいですが日本語にすると「技術的に実現可能」というイメージだと思います。よくわからない開発をしているというよりは、技術的にはもう販売が可能であるというとイメージしやすいかもしれません。より試験に出題されるような形式でいうと、Technological feasibilityはプログラムのモデルが完成したときに達成されたと考えられます。つまり、こ「Technological feasibility」が達成した後に費やされた金額は一定の状態まで全てCapitalize(資産計上)されます。

■Capitalize(資産計上)の範囲

上記のとおり、Computer Software の開発を通して「Technological feasibility」が達成された後は、Capitalize(資産計上)を行います。そのCapitalize(資産計上)されたComputer Softwareは、一般的な無形資産と同様にAmortizationをすることによって費用計上されます。では、次の論点として、このCapitalize(資産計上)はどの範囲まで行われるのかということになります。こちらのCapitalize(資産計上)が行われるのは、そのComputer Softwareが「販売可能」な段階に入るまでとなっています。そのため、販売が可能になった後のComputer Softwareを量産するために費やした金額や、量産されたComputer Softwareをパッケージにつめるコストなどは、全てInventory(棚卸資産)への計上となります。

■まとめ

上記の流れについて、まとめてみます。

  • R&Dの範囲
    「Technological feasibility」が達成されるまでの金額
  • Capitalizeする範囲
    「Technological feasibility」の達成後から、「Marketing」までの金額
  • Inventoryとなる範囲
    Marketing以降にかかる金額

ざっくりまとめると以上のような範囲になります。

以上で、R&D(研究開発費)の範囲についての説明を終わりたいと思います。

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