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固定資産3

USCPAの勉強。固定資産についてその3。

■Depreciation (減価償却)の続き

前回は、固定資産に関する減価償却の方法のうち、Straight-line methodとDouble-Declining-Balance Methodの2つの方法を見てきました。今回から見ていくのは、Sum-of-the-years’ Digits Method(級数法)と呼ばれる方法と、Units-of-production Method(生産高比例法)と呼ばれる償却方法になります。では、それぞれの方法についてみていきます。

 

■Sum-of-the-years’ Digits Method(級数法)

英語や日本語でそのままみるとわかりにくい名称ですが、Sum-of-the-years’ Digits Method(級数法)は、前回のDouble-Declining-Balance Methodと同様に、固定資産を取得した期に最も大きく減価償却を行い、その後に期を跨ぐにしたがって少しずつ償却額を減少させていく方法になります。こちらの償却方法では、償却金額を求めるために「級数」と呼ばれるものを使用するため、この名称となっています。名称はわかりにくいですが、実際に計算してみると早く理解できると思います。式に表すと

(取得価額 – 残存価額) × (残存年数 / 級数)

となります。ここで登場するのが「級数」となります。

■級数とは

級数については、実際の数字で考えると理解しやすいと思います。例として、以下でいくつかの数字の級数を羅列していきます。

  • 5の級数:5+4+3+2+1 = 15
  • 4の級数:4+3+2+1 = 10
  • 3の級数:3+2+1 = 6

となります。つまり級数とは、その数字から下の数字を順番に全て加算したものとなります。この級数を求めるために、上記のようにわざわざひとつずつ数字を加算していくのは時間の無駄となってしまうため、以下の公式に当てはめて級数をサクッと計算してしまうのが良いと思います。

◆級数の算出方法

耐用年数×(耐用年数+1) / 2

例えば問題上の耐用年数が5年であれば、5×(5+1)で30、そこから2で割って15ということです。こちらは上記の羅列した5の級数と一致しています。この方法はどの数字の場合でも当てはまめることが可能なので、瞬時に級数を求めることができます。そのため、この公式を暗記しておくと楽です。と言いながら僕は不安で、この方法で計算してから、再度全ての数字をひとつずつ加算して級数が一致することを確認しておりました・・・。

【例】
具体的に当てはめていきます。問題に$100,000の機械(残存価格は$1,000、耐用年数6年)を2001年1月1日に購入したとして、2001年12月31日の減価償却費を求めなさいと記載があれば、計算は以下の通りとなります。

①級数を求めます。

6×7 / 2 = 21

②級数を使用して級数法の公式に当てはめます。残存年数が6年なので

(100,000 – 1,000) × (6/21) ≒ 28,286

となります。やってしまいました!割り切れない金額を例としてあげてしまいました。級数法の問題の場合、問題集などでは基本的に割り切れる数字での出題が多数となります。とはいえ、本番の試験ではどういった金額になるのかはわからないので、注意が必要となります。また、他の減価償却方法と同様に、今回の問題が仮に4月1日など、中途半端なタイミングでの取得であれば、この結果からさらに月単位で案分する必要があるということにも注意が必要です(繰り返しになりますが、実際の試験では基本的に中途半端な取得タイミングでの出題となります)。

やはり割り切れない金額ではしっくりこないので、もう少しわかりやすい金額でやってみます。$40,000の機械(残存価額は$4,000、耐用年数5年)を期首に購入したとして、各期の減価償却費について級数法を使用して求めなさいと記載があれば、以下のようになります。

◆1年目

(40,000 – 4,000) × 5/15 = 12,000

◆2年目

(40,000 – 4,000) × 4/15 = 9,600

◆3年目

(40,000 – 4,000) × 3/15 = 7,200

◆4年目

(40,000 – 4,000) × 2/15 = 4,800

◆5年目

(40,000 – 4,000) × 1/15 = 2,400

これらの減価償却費を合計すると、36,000となり、40,000から36,000を引くとちょうど残存価額の4,000になりますね。計算上、残存価額を控除する必要がある点に注意してください。取得した年数の減価償却費の金額が大きく、徐々に金額が減少していくというDouble-Declining-Balance Method(定率法)に似たような動きをすることがわかると思います。

 

■Units-of-production Method(生産高比例法)

こちらの方法は、これまで確認してきた計算の基軸を時間として減価償却費を算出していた方法と異なり、Fixed Assets(固定資産)の稼働時間などを使用して減価償却費を決定する方法になります。式に表すと

(取得原価 – 残存価額) × 当期の運転時間 / 総稼働時間

となります。実際の試験では稼働時間などは基本的に問題文の中で与えられます。

【例】
具体的に当てはめていきます。$100,000の機械(残存価額は$10,000、耐用年数10年、総稼働時間は10,000時間)を2001年1月1日に購入したとして、こちらの機械を今期に2,000時間使用しました。今期の減価償却費を求めなさいと記載があれば、計算式は

(100,000 – 10,000) × 2,000 / 10,000 = 18,000

となります。これまでの償却方法と異なる点として、耐用年数などが書かれていても無視することに注意が必要です。こちらの計算方法で重要となるのは、その固定資産がどれくらい使用可能と見積もられているのか(つまり総運転時間等)と、当期にいくら使用したのか(つまり今期の運転時間等)ということです。また、残存価額をしっかりと控除するのも忘れないように注意です。

また、その他の注意点としては、Units-of-production Methodは月単位で案分する必要がないという点があげられます。例えば上記の例で、機械の購入が仮に機種ではなく6月などの期中だったとしても、「2,000時間を当期に使用した」と問題文に記載があれば2,000時間使用した分の減価償却が必要となります。計算金額からさらに月で案分する必要はありません。こちらの方法はあくまで稼働時間で償却額を決める方法であるためです。

今回でFixed Asset(固定資産)の範囲を終わりたいと思います。次回からは、Intangible Asset(無形資産)についてみていきたいと思います。

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