米国公認会計士(USCPA)に合格し、Big4監査法人で働いてます。USCPA情報をメインにリアルな情報を書いていきたいです。

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捨てる分野について

米国公認会計士(USCPA)の勉強に対する対策について、今回は非常に広い出題範囲を持つUSCPA試験の受験に関して、分野を捨てるということについて書いていきたいと思います。果たして、ある分野を捨てる、つまり全く勉強しないことによって効率的になるのでしょうか。

はじめに

僕が最初に「何かの分野を捨てる」という考えに出会ったのは、専門学校のサイトなどに書いてある「合格体験記」を読んだときでした。僕は勉強に疲れたときに合格体験記を読むのが好きだったのですが、たまに以下のような書き込みを見かけることがありました。

  • 「FARの勉強の際、政府会計は全く勉強しませんでした。」
  • 「○○の分野は範囲が広いのに配点が低いため、常識と勘で解きました。」

このように、「○○なので、○○の分野は勉強しませんでした」というコメントがたまに見受けられました。このような合格体験記を読んでいた当時は「そんなものなのか」と納得していたのですが、今となっては分野を捨てることは完全に間違っていると思います。以下、その理由を書いていきます。

捨てる分野は作ってはいけない

米国公認会計士(USCPA)の試験において、捨てる分野を作るということは絶対に行わないようにしておきましょう。捨てる分野を作るということは、合格の可能性を捨てていると同じようなものだからです。第一、合格体験記を書いた人が本当にその分野を勉強しなかったのかということは誰にも証明できませんし、そのような意見に踊らされて勉強しない分野を作り、合格を「運任せ」にするより、きっちりと全体を勉強して「実力」で合格を勝ち取ったほうが自信がつきます。そこで、勉強しない分野を持つことの危険性について書いていきます。

捨てることの危険性

USCPA試験の構成

何かしらの分野を捨てるということがどれだけ危険かを説明するために、まずはUSCPA試験の構成について考えてみます。USCPAの試験は「テストレット」と呼ばれる問題群を数個解いて、その合計点で合否を判定するものとなっています。詳しくは「USCPAの出題形式」をお読みください。そして重要なのが、各テストレットを解き終わった後に、そのテストレットの出来具合によって、次のテストレットの難易度が変わると言われている点です(ちなみにですが、僕はこの難易度の変化に全ての科目において全く気が付くことが出来ませんでした。参考記事:テストレットの難易度変化について)。

テストレットの難易度と点数

簡単に説明しますと、最初のテストレットの正答率が良ければ次のテストレットの難易度が難しくなり、逆に悪ければテストレットの難易度は変わらないままと言われています。ここでいう「テストレットの難易度」というのは、テストレットに難易度の高い問題がどれだけ多く含まれているのかの割合という意味になります。つまり、難易度が高いテストレットは難易度が高い問題が多く含まれ、難易度が普通のテストレットは難易度が高い問題がそこまで含まれていないということです。そして、USCPAの試験では難易度の高い問題の方が配点が高いとも言われています。つまり、USCPAで高得点を出したい人は、初めのテストレットで高い正答率を出して、次のテストレットを難易度の高いテストレットにして、そこでも高い正答率を出して高得点を狙うというステップを踏むことになります。

最初のテストレットの内容

試験を開始して初めに解くテストレットの内容は、比較的基礎的な問題で多くの問題が構成されています。ここで注意したいのは、「難しい分野」が出題されないというわけではなく、全ての分野から基礎的な問題が出題されるということです。例えば、連結会計が難しいから最初のテストレットには出題されない、というわけではなく、連結問題の基礎的な問題が最初のテストレットに含まれるということです。難しいか簡単かの判断は分野で判断されるわけではなく、問題の内容によって決まる、ここが非常に重要なポイントとなります。

ある分野を「捨てた」場合

ここまで書くとピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、分野を捨てると、この基礎的な問題を正解できなくなります。全く勉強していないのに正答できるわけがありません。捨てる=全く勉強していないため、基礎的な問題ですら正答できない状態になります。では、捨てる分野を作るとどうなるか、具体的に見ていきます。僕が見た合格体験記では、FARの政府会計や非営利組織会計、つまり公会計を捨てたというコメントを何回かみました。では、この分野を捨てた場合はどうなるのでしょうか。

公会計を捨てた場合を計算

公会計の出題比率は20%と言われています。そして、FARの最初のテストレットの選択問題は33問で構成されています。これを単純に計算すると

33問×20%=6.6問

計算上は最初のテストレットの時点で約7問の「全く分からない」公会計の問題にぶち当たることになります。選択問題は全て4択と仮定して、25%で正解するとします。それを考慮すると、7問中1~2問は正解出来ることになります。これを逆から見ると、公会計の分野の内、5~6問は不正解ということになります。

結果

結果として、最初のテストレットに少なくとも5~6問の不正解があることになります。捨てなかった他の分野の問題を全て正答できるとは限らないので、正答率はさらに下がると考えられます。USCPA試験の採点はどのように行われているかはわかりませんが、その場で次のテストレットの難易度が決まるということは機械がそれを判断していると仮定しましょう。その少なくとも5~6問の不正解を含んだテストレットが、高い正答率を持つと機械に判断されるでしょうか。このように見ると「捨てる分野」をつくることが、USCPAの試験上どれほど危険かわかると思います。

まとめ

単純に計算して、20%の出題割合を持つ公会計を捨てるということは、残り80%の分野で正答率95%を達成しないと75以上のスコアを獲得するのは難しいということです。配点に関してはわからないことが多いですが、単純計算で捨てなかった分野での95%の正答率はさすがに難しいと言わざるを得ません。そんな苦労をするのであれば、捨てる分野をなくして、全体的にしっかりと回答できるようにしておいた方が合格に近づきます。

USCPA試験の性質上、どのような問題が出題されたのかは僕には書くことは許されませんが、ひとつの方向性として「基礎が非常に重要で、幅広い範囲からの出題となる」ということは言うことが出来ます。何かの分野を捨てようと思う人は、少なくとも基礎的な問題が解けるようにはしておいた方が合理的です。全く基礎の問題も解けません、という状態はやめておいた方が良いと思います。

以上で、捨てる分野についてを終わります。

 

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