USCPAに合格した人が次に目指す目標について考察します。

あくまでUSCPAを目指す=会計と英語に注力しているという前提での話となります。

ライセンス

USCPAを合格した後、大多数の人が最初に目指すのがこちらになると思います。USCPAは全科目合格した時点では「USCPA」と名乗ることは出来ません。実務経験と必要となる単位を取得した後に、アメリカの各州にUSCPAとしてライセンスを取得することにより、初めてUSCPAと名乗ることが出来ます。僕もUSCPAに全科目合格した後は、実務経験を積み、追加で単位を取得した後にワシントン州のライセンスを取得しました。ただ、これは目標と言うよりはUSCPA取得を目指す人の最初の通過点というところではないでしょうか。

税理士

USCPA勉強中に「会計」や「税務」に目覚めた人はこちらを目指すのもありです。会計の知識のみを日本語でさらに深めたい人は、税理士試験の中でもあえて「簿記論」と「財務諸表論」に絞って取得する道というのも考えられます。この2科目に合格すれば、あとは1科目の簡単な税法に合格し、大学院で勉強し残りの2科目を免除すれば税理士になることが出来ます。この作戦では全科目を勉強して税理士を取得した人からは非難されるかもしれませんが、人生の時間は有限なので、僕はアリな選択肢だと思います。

証券アナリスト・CFA

証券会社などの金融機関で働いている、または働きたい人は、証券アナリスト、もしくは米国の同資格であるChartered Financial Analyst (CFA) を目指すのが良いと思います。日本の証券アナリストの受験科目を見ると、1次試験では「財務分析」「経済」、そして2次試験では「コーポレートファイナンスと企業分析」など、USCPAで勉強したことが活かせそうな科目構成となっています。個人的にはこちらの方面に進むのであればUSCPAと同じ英語の試験であるCFAを目指してほしいところではありますが。

公認会計士

選択肢としてあげてはいますが、USCPAに合格しているのであれば、日本の公認会計士になる必要はない気がしています。これであれば税理士の簿記論と財務諸表論、もしくは簿記1級で十分ではないでしょうか。もし監査が大好きでその道を究めたいというのであれば日本の公認会計士を目指す意味があるかもしれませんが、それなら英語を極めてUSCPAが認定されている国に行って監査すれば良いだけですからね。日本の会計士試験は難易度が高すぎて勉強時間に対する効果が低すぎると感じています。

簿記一級

簿記1級という名称ではありますが、科目が財務会計、会計学、工業簿記、原価計算となっており、USCPAで勉強した内容を更に深堀りしたい人にとっては良い内容となっています。大企業で最後までサラリーマンとして働いていこうと思う人にはぴったりではないでしょうか。ただし、合格率は非常に低く、難易度が高い試験となっているため、仕事に支障が出ない程度の勉強で合格を目指すにはしんどいかもしれません。

その他

その他、USCPA合格者が次に考えるであろうステップについていくつか検討します。

公認内部監査人:CIA

内部統制、内部監査に興味がある人はこちらを勉強しても良いと思います。ただ、取得している人の話を聞いたことがありますが、USCPAを持っているならわざわざ取得しなくて良いと言われたんですよね。それを考えるとおすすめできるか悩みどころです。内部統制、内部監査の業務についており、それらの知識を体系的に学びたい人は目指すのはありだと思います。もう少しニッチな分野を狙うのであれば、「IPO・内部統制実務士」という分野もあります。日本は本当に資格大国ですね。

中小企業診断士

コンサルタントになりたい人はこの資格を取ると役に立つ、と聞いたことがあります。確かに受験科目を見るとコンサルに使えそうなものが並んでいます。財務会計や経済学といったUSCPAの科目と親和性が高いものもあるので、コンサルに興味がある人は目指しても良いと思います。ただ、僕は前職のときに非常に使えなかった上司がこれを持っていたので、この資格に対する評価はそれほど高くありません。