年収1000万欲しい人はUSCPAをとって監査法人にいこうという話

突然ですが、こんなことを思ったことはないでしょうか。

お金が大好きなんだけど、起業するリスクを取る勇気は無いかなぁ。サラリーマンしながら年収1000万欲しい。

さて、あなたは年収1000万円欲しいでしょうか。僕は本当に欲しいです。「年収1000万円」というのは、個人的には日本にいるサラリーマンの1つの大きな目標だろうと考えています。では、年収1000万円に到達するためには、具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか。

現役のUSCPAとして監査法人で働いている僕としては、「USCPAを取得して監査法人に入れば達成できるよ。」というのが答えになるのですが、それだけで終わってしまうと、3時間くらい噛み続けたガムのように味気ない内容になってしまいます。そこで、いかに監査法人がおすすめかについて、もう少し具体的な話を続けていきたいと思います。

おしながき

  • 日本の年収事情について
  • 監査法人のススメ

まずは、日本における年収事情について簡単に見ていきましょう。

日本の年収事情について

日本の年収事情って何ですか?と思われるかもしれませんが、日本では、年収は「どこの会社に入るのか」でほぼ100%決まります

以前にUSCPAの年収を18人にヒアリングした結果を記事にしたのですが(参考:USCPAの年収)、この記事の中で年収が1000万円を超えるのは監査法人が大半となります。

実際に色んな会社名と年収で検索してもらえればわかりますが、日本では、特に日系企業では「何をやるか」ということで年収が決まることはほとんどなく、「どこの会社に属しているか」で年収が決まるのです。

例えば、僕がUSCPAに合格したときに在籍していた会社は、地方の割と巨大なグローバルなメーカーだったのですが、今調べたところ、その会社の平均年収は約700万ということでした。

当時の先輩の話を思い出しても、この金額は間違っていないと思います。そして、その会社で働き続ける限り、僕がUSCPA合格者だろうと、何の資格も持っていない人と年収に大きな差が発生しないのです。

例え僕が英語がペラペラで会計が出来るバリバリの仕事人間だったとしても、それ以外の特に何も努力をしていない人間と年収で大きな差は開きません。むしろ、年功序列なので長年在籍しているスキルのかけらも持ち合わせていないおじさんの方が年収が高かったりするわけです。

つまり、年収1000万円に到達するためには、年収が1000万に到達する会社に入るしかないという身もふたもない事実が存在するのです。これは逆に言うと、何らかの方法を駆使して年収が1000万円を超える会社に潜り込むことが出来れば、そのうち昇進するに伴って年収1000万円を成し遂げることが出来るということになります。

そして、僕はこれまでの人生経験から「USCPAを取得して、隙を見て監査法人に入る」のが年収1000万円を狙うには現実的な選択肢という結論に到達しました。

監査法人のススメ

USCPAを取って監査法人に入り、年収1000万を目指そう!と言っても、以下のような不安を持つ人がいると思います。

  • USCPAでは監査法人に入れないのではないか
  • USCPAは監査法人で出世できないのではないか

僕もUSCPAを取得する前は、果たしてUSCPAとして本当に監査法人に転職できるか不安を抱えていましたので、気持ちはわかります。これらの不安要素について、僕の知る限りの範囲で回答していこうと思います。

USCPAでは監査法人に入れないのではないか

これに関しては、結論から言うと「タイミング次第では普通に入れます」という回答になります。僕がUSCPAに全科目合格したときは、日本の景気がかなり悪く、転職しようにも監査法人の求人が全然ないという状況でした。

そのため、最初の転職活動は先述の日系企業からベンチャー企業に転職という結果になりました。そのベンチャー企業は割とホワイトな職場で、残業するときっちりと残業代が支払われたため、幅広い仕事をこなして年収を引き上げることが出来ました。

ベンチャー企業に転職してから数年後、日本の景気がマシになり始めたときに、ふと転職エージェントに登録してみると、監査法人の求人がいくつもあることに気が付きました。

ダメ元でBig4の監査法人のいくつかに応募してみると、思ったよりあっさりと書類選考を通過し、いくつかの法人と面接をして内定が出ました。特にベンチャー企業に不満があったわけではないのですが、自分が一番行きたかった監査法人へ転職することにしました。

そこから監査法人におけるUSCPAの採用事情に興味がわいたので、人事担当の人にこっそりと内情を聞き続けてきたのですが、やはりタイミングによってUSCPAの採用は大きく左右されるというのが実態のようです。

例えば、監査法人で大きなプロジェクトがいくつも獲得できて、人手が足りないとなった場合は大きく採用の門戸を開くため、USCPAでも余裕で採用されることになります。

逆にタイミングが悪い(例えば大きなプロジェクトが終了した、監査クライアントを切られた等)場合は仕事そのものが少なくなるので、日本の会計士であっても採用されないということになります。

このように、いつの時点で監査法人の採用チャンスが広がるかは未知数と言えるため、定期的に転職エージェントに「監査法人の求人はありますか」と尋ねるのがチャンスをつかむ第一歩になります。仮に応募して不採用だったとしても、数年後に再度チャレンジすれば良いだけです。

後述しますが、監査法人は働く人がコロコロ入れ替わるので「あ、この人は前も応募してきた人だ」みたいなことにはめったになりません。つまり、USCPAだからと言って、監査法人に入れないということではなく、完全にその時の運ゲーなのでどんどん挑戦しましょう。

ちなみに、僕のTwitterではこっそり監査法人の採用状況を「今は割と採用している」「今は採用を絞っている」とつぶやいたりしているので、よかったらフォローして参考にしてくださいね(唐突な宣伝)。

次に、監査法人に入ってもUSCPAは出世できないのではないか、という点について書いていきます。

USCPAでは監査法人で出世できないのではないか

USCPAが監査法人で出世できないのではないかということについては「監査部門以外では全く関係ない」と断言できます。

ちなみにこれは監査部門ではUSCPAが出世できないということではなく、僕の所属しているのが非監査部門のため、自分の知る限りでは非監査部門でUSCPAも日本の公認会計士と変わらずに出世しているということです。監査部門ではUSCPAが出世できないという不満を間接的にも、噂レベルでも聞いたことがないので、監査部門でも問題なく出世できると考えています。

また、監査法人に所属するのは、大半が日本の公認会計士というところに「USCPAでも監査法人で出世できる」という理由が隠されています。

これから記載することは実際に僕が監査法人に所属してから経験したことになるのですが、日本の公認会計士は、以下の理由から監査法人における離職率が割と高いです。

親の会計事務所、税理士事務所を継ぐために辞める

公認会計士には、親の仕事である会計士事務所や税理士事務所を継ぐために資格を取得したと言う人がいます。僕個人としては自分の人生を親のために捧げると言うのは全く理解出来ませんが、その人にしか分からない事情というものがあるのでしょう。

そして、公認会計士になった後は大手監査法人に入って経歴に「箔(笑)」をつけて、数年後に辞めて家業を継ぐのです。実際に僕とめちゃくちゃ仲が良い同僚の会計士がこのパターンで辞めたのですが、かなり強く引き留めましたが最終的には辞めて田舎に帰ってしまいました。今思い返すと、他人の人生の判断に深く介入してしまったことを後悔しています。

自分で開業するために辞める

公認会計士は、資格を取るとついでに税理士資格も手に入れることが可能です。つまり、自分で事務所を開業することができるのです。こちらも先ほどと同じく、大手監査法人に入って経歴に「箔(笑)」をつけてから開業するパターンになります。

このパターンは、既に退職した先輩が期間限定で僕が参加するプロジェクトに応援に来ていたときに知りました。その退職した先輩いわく、「やはり自分でやった方がリスクはあるけど儲かる」とのことです。優秀だからこそ自分でやってしまおうというわけですね。

自分で事業会社に直接かかわりたくて辞める

監査法人とは、その業務の性質上どこまでいっても「他社のサポート」がメイン業務になります。これは監査部門でも、アドバイザリー部門でも同じです。結局は自分たちで何かをやるのではなく、第三者としての関わりしかできません。会計士の中には、自分で事業会社の中に深く入って「当事者」となって働きたいと思う人がいます。

また、公認会計士という性質上、会計の知識と経験は抜群にあるので、事業会社側としても公認会計士であれば安心して採用できるというわけです。僕の法人にもバリバリ働いて出世しまくっていた上司がいたのですが、ある日あっさりと事業会社の財務責任者として転職していったので心底驚きました。めちゃくちゃ法人に貢献しており、法人内での評価も高かったのでパートナーにスピード出世すると思っていたので、そういう人材でもサクッと辞めるという事実は結構な衝撃でした。

ここまで長々と公認会計士が辞めやすい特徴について書いてきましたが、何が言いたいのかというと、監査法人には「ライバルが勝手に消える」という奇跡的な条件が備わっていることです。僕がこれまで働いてきた経験からすると、優秀な人間も優秀じゃない人間も等しく辞めていきました。

つまり、USCPAだったとしても、普通に頑張って働いていればもちろん出世できますが、さらに周囲の人間が辞めていくというオマケまで付いてくることになります。

もちろんUSCPAの方が公認会計士より出世しやすいというわけではないですが、USCPAだからと言って監査法人で出世できないということはありません。僕が所属している監査法人では、スタッフレベルから一番偉いパートナーまで、すべての職階にUSCPAが存在しています。

まとめ

監査法人ではシニアのスタッフであれば狂ったように残業すれば、もしくは管理職であるマネージャーになり少し経験を積めば、年収1000万は十分に狙うことが可能です。さらに、パートナーまで上り詰めることが出来れば年収数千万円も業績次第では達成可能です。
※余談ですが、パートナー曰く、日本のBig4のパートナーは海外と比べると年収が低いそうです。海外の全然仕事できないパートナーの方が年収が高いことを不満げに語ってました。笑

年収1000万円を目指したい人は、USCPAを取得して監査法人に来てみてはいかがでしょうか。いつか年収の話で一緒に盛り上がれたらと思います。

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