監査法人志望のUSCPAへ

前回、監査法人を目指す人に向けたブログ(参考:監査法人を目指す君へ)を書いたのですが、内容としては監査法人の面接を受ける際に覚えておいてほしいことでした。今回は、その中でもUSCPAが監査法人を目指す際に気を付けてほしいことを書いていきます。また、おまけで日本の公認会計士に向けたことも最後に加えておきます。ちなみに今回は割と厳しめのことを書くつもりなので、不快な気持ちになりたくない方は「戻る」を押して勉強に戻ることをお勧めします。

今回の内容

監査法人に入りたいUSCPAへのメッセージ

監査法人に入りたい公認会計士へのメッセージ(おまけ)

ではまず、監査法人に入りたいUSCPAに向けたメッセージから書いていきます。

監査法人志望のUSCPAへ

まず、USCPA試験はいかがだったでしょうか。働きながら時間を作って勉強して合格した人にとって、試験はかなり厳しいものだったと思います。僕自身も1年間働きながら頑張って取得したので気持ちはわかります。正直「ドヤ、米国の会計士やぞ(^ω^)!」と自慢したいですよね。わかります。ですが、監査法人に入りたい場合、「監査法人において、USCPAのレベルはどの程度と認識されているのか」という事実はしっかりと受け止める必要があります。

監査法人におけるUSCPAの認識

一般的に、USCPAを勉強すると「会計の専門知識」と「英語力」が身に着くと言われています。実際に勉強した身からするとこれはある程度事実だと思います。しかし、監査法人の内部にいる人からの目線で見てみると、残念ながら、USCPAは会計の専門知識という点においては日本の公認会計士の足元にも及んでいません。日本の会計士からするとUSCPAは「この人何もわかってないよね」というレベルの認識になります。英語力に関しては「USCPAである以上、ある程度は英語が出来るんだよね」というレベルでしょうか。日本の会計士は英語に対して苦手意識を持っていることが多く、この点においては差別化が出来るというわけです。つまり、監査法人の多数を占める日本の会計士から見ると、USCPAのイメージは以下のようになります。

会計知識ゴミ
英語力まぁまぁ
身もふたもない

割と厳しいことを書いていますが、必死になってUSCPAになったとしても、残念ながら会計知識に関しては日本の会計士と比べるとマジで全然ダメです。このことをまずは認識する必要があります。そのうえで、監査法人に入りたい人は戦略を立てれば良いのです。「監査法人の人間からするとUSCPAはすごくない」という印象を踏まえてどう対応するか、これが今回の最も伝えたいことになります。

USCPAがとるべきスタンス

さて、USCPAは監査法人においてそこまで価値が高くないと認識されている現状を踏まえて、監査法人を目指すUSCPAが取るべき手段はどのようなものになるのでしょうか。まず大前提として「会計と英語力に関しては、これからも鍛え続ける」というスタンスを持つことが重要です。例えば、面接時に「USCPAの勉強とかどうでしたか?」という質問をされた場合は「仕事と勉強の両立は正直大変でしたが、勉強を通して会計知識や英文を読む力が上がっていくのは楽しかったので、これからも継続して学び続けたいです」という具合に、現状では満足せず、これからも知識を磨いていく姿勢を見せることが大事です。

逆に「これまで勉強頑張ってきたので大丈夫です」というスタンスで面接に挑むと、面接官としては「え?この人はUSCPAレベルでもう満足してるの?」という印象を与えてしまい最悪です。思い出していただきたいのですが、監査法人の中ではUSCPAの知識レベルは高いと思われていませんし、実際に高くありません。仕事とUSCPAの勉強の両立が大変だったのはわかりますが、合格時点で満足している雰囲気を出さないようにしましょう。

そして、可能であれば会計と英語に加えて、何か+αで自分の強みがある場合は、その点もアピールすればさらに印象は良くなります。+αとは、デジタルであったり、社会人であれば業界の業務プロセスに精通していたりという、他の会計士が経験していない分野で差別化を図れるポイントになります。もちろん、経験が浅くて何もない場合は無理に作る必要はありません。

つまり、USCPAがそこまですごいと認識されていないのであれば、「今後の伸びしろ」を感じてもらうのが印象をよくする手っ取り早い方法になるのです。実は僕がUSCPAを取得した後にこのスタンスで転職活動に挑んだのですが、面接官の印象はかなり良かったです。まだまだ頑張る感じを出すのがキモですね。

ちなみに追加で重要となるのが、これからも自分を高め続けたいとアピールすることに加えて「そのために自分は今何をやっているのか」という実績を仕込んでおく必要があります。例えば、以下のようなものになります。

仕込み例

  • 簿記1級を目指しており、予備校の講座を申し込んだ
  • オンライン英会話のコースを始めている
  • 会計分野の本を読み続けている+著書名と簡単な内容を挙げる

これは僕が面接のときに「これからもバリバリ頑張りまっせ(^ω^)!」とアピールした後に「へぇ、じゃあ実際に今何かやっているんですか?」と聞かれた経験があるからです。その時は洋書の「Naked Finance: Business Finance Pure and Simple」をKindleで読んでいたので、この本の内容がいかに素晴らしいかを熱弁したら「あ、あぁ・・・本当にちゃんとやってるんだね」と熱量にドン引きされました。

※ちなみにこの本はガチでお勧めなので、英語で書かれた会計本に興味がある人はぜひ読んでみてください。

少し話がそれてしまいましたが、結論としては、監査法人に入りたいUSCPAの人は、現状に満足せずに、これからも努力を続けること、そしてそのために今の時点でもすでに取り組んでいることをアピールするという姿勢が非常に重要となります。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、しっかりとアピールできれば良い印象を与えられると思いますので、ぜひ面接対策に盛り込んでみてください。

余談:公認会計士に向けたメッセージ

僕は、面接ではないのですが、日本の会計士試験を突破した人たちと交流会という場で少しお話させていただいた経験があります。そこでは非常に多くの合格者の方と話をすることが出来たのですが、その経験を踏まえてメッセージを書いていこうと思います。

率直に言います。公認会計士合格者たちは「僕たち/私たちは難関資格を突破しました」オーラがにじみ出ています。ハッキリ言って痛々しく、クソキモいです。これは僕一人の感想ではなく、監査法人側の人間として参加していた会計士の先輩にも「こいつらなんかきもくないっすか?」と確認した結果、「おれも合格者の時期はこんなんだったかもしれん」という回答を貰ったのも踏まえて書いています。

日本の公認会計士試験を突破したことは本当にすごいと思います。ただ、自分が思っている以上に自信満々っぷりがにじみ出てしまっているので、周囲から見たらガチできついことになっているので、全力で謙虚にふるまってオーラを抑えましょう。どうせ監査法人に入ったら待っているのは「監査」という信じられないくらいつまらない仕事と、自分たちよりはるかに知識量が豊富な先輩たちなので、入社までは調子に乗っていても良いと僕は思うのですが、とにかく自分が思っている3倍以上の気合で謙虚にふるまうのがおすすめです。

普通に悪口みたいになってしまった。終わります。

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