米国公認会計士(USCPA)の勉強についての対策について書いていきます。今回は、選択問題とシミュレーションについて、どのような比率で勉強すべきかについてになります。僕の体験談をベースに書いているので、参考にしていただければと思います。

配点比率について

まず、試験の配点についておさらいしてみます。USCPAには4つの科目(FAR・BEC・AUD・REG)があり、BECを除いて以下の2種類の問題で試験が構成されています。

  • 選択問題
  • シミュレーション

BECは上記に加えて記述問題が用意されています。そして、その問題の配点なのですが、選択問題が50%、シミュレーションが50%という比率になっています。この配点比率を踏まえたうえで、どのような勉強比率での学習が最適となるかを考えてみます。

勉強方法について

上記の配点比率を踏まえて、ここからはどのような勉強方法が最も効率的なのかについて考えていきたいと思います。まずは記述問題がない、FAR、AUD、REGについてみていきます。

FAR・AUD・REGの場合

この3科目の場合、僕はほとんど「講義の理解」と「選択問題の繰り返し」に重点を置いた勉強をしていました。僕は受験生時代にはBISKを問題集として使用していたのですが、最初から最後まで問題集に用意されているシミュレーションは飛ばして選択問題のみを解答するということを繰り返し、シミュレーション問題をはじめて解答するのは問題集を解くのが5回目となったときでした。シミュレーションを解くといっても、問題を見てわからなければさっさと解答を見て、理解できなければ深追いをせずに飛ばすといったレベルのコミット具合でした。選択問題の場合は、わからない箇所を飛ばすことはせず、理解できない問題は何度も問題集にある解説を読み返したり、教科書の該当部分を読み込んだりしました。

その理由として、シミュレーション問題は複合的であるため、同じような問題が出題される可能性は極めて低いと考えたこと、そしてシミュレーションの内容をよく見てみると、結局は選択問題を少し複雑に出題しているだけと分かったためです。シミュレーションは難易度が高いというわけではなく、ただ複数の選択問題が表現を変えて出題されているだけという認識で大丈夫です。中には非常に簡単な問題も含まれているため、シミュレーションと言っても焦らずに問題を1つずつ見ていけば、実質は選択問題といっても過言ではありません。そのため、選択問題で85%以上の正答率をとれるようになれば、シミュレーションでも80%以上は正答できる実力はついていると思います。この数字を各配点に当てはめると以下のようになります。

  • 選択問題:50% × 85% = 42.5%
  • シミュレーション:50% × 70% = 35%
  • 合計:42.5% + 35% = 77.5%

これで合計77.5%で合格点圏内に入ることになります(実際の配点はもう少し複雑ですが)。ただ、シミュレーションが選択問題の集まりだとしても、全く対策する必要はない、ということではありません。シミュレーションを解くことによって、その分野の総合的な理解を深めることが出来る上に、本番ではどのような問題が出題されるかという方向性を知ることが出来るので、ある程度は勉強しておいた方が効果的です。

<管理人の勉強比率>

僕の最終的なFAR・AUD・REGの勉強比率は以下のようになります。

  1. 講義を見て出題内容の理解を行う:25%
  2. 選択問題を解いて理解を確認する:70%
  3. シミュレーションで理解を深める:5%

次に、BECについての勉強比率を見ていきたいと思います。

BECの場合

BECでUSCPA受験者が不安になることと言えばBECにのみ用意されている記述問題だと思いますが、僕の場合、記述問題の対策は行いませんでした。理由としては、DVD通信の予備校を選択したため、記述問題に対する具体的な対策の方法がわからなかったということがあります。問題集であるBISKには記述問題の問題例と解答例があったと思いますが、その内容をさらっと読んだだけであとは何もしませんでした。自分が書いたとしてもそれを添削してくれる人もいませんし、添削した内容が正しいのかもわかりません。そこに時間を取られるのであれば、選択問題を完璧にした方が良いと思っていました。

しっかりと選択問題に解答できるレベルまで理解しておくと、どのような問題が出てきてもある程度は何か書けると思います。僕が実際に受験した際には「え?」と思うような内容が3つ出題されましたが(国際経済分野など)、必死になんでも良いから書くという戦法で何とか合格できました。ただ、あの問題を予測することは困難でしたし、試験が終わった今でもどのような対策を取ればベストだったのかはわかりません。

そのため、BECでは選択問題とシミュレーションで高い配点をたたき出す戦法が有効です。選択問題で85%程度の正答率をとれるようしておき、シミュレーション問題は70%、そして記述問題は50%程度の正答率で何とか合格に持ち込むという作戦です。この数字を各配点に当てはめると以下のようになります。

  • 選択問題:50% × 85% = 42.5%
  • シミュレーション:35% × 75% = 26.25%
  • 記述問題:15% × 50% = 7.5%
  • 合計:42.5% + 26.25% + 7.5% = 76.25%

このように、合計でぎりぎり合格ラインに到達しますね。ただ、これは試験の際に記述問題を捨てて良いということではありません。確実に記述問題を解く時間をあらかじめ決めておき、記述問題の全てに少しでも解答を行うようにしてください。記述問題の採点は減点方式ではなく加点方式と言われており、何か少しでも書けばどうにか点数がもらえるタイプの試験になっています。僕はBECの点数は75点に近い点数で、本当にヒヤヒヤしました。もし記述問題に解答していなければ、不合格だったと思います。参考として、記述問題の対策記事を書きました(BECの記述問題対策)。

<管理人の勉強比率>

僕の最終的なBECの勉強比率は以下の通りになります。

  1. 講義を見て出題内容の理解を行う:20%
  2. 選択問題を解いて理解を確認する:80%

とにかく選択問題の正答率を上げるためにひたすら問題を解いていたというのが正直なところです。もしかしたら教材をじっくりと読み込めば、きれいな記述問題の解答ができるようになるかもしれませんが、そこまで試すことは出来ませんでした。

以上で、勉強の比率についてを終わりたいと思います。注意点としては、USCPAは正答率によって合否が決定するわけではなく、たとえ正答率76%でも不合格の場合があるため、上記はあくまでも参考としていただければと思います。