【書評】さみしい夜にはペンを持て

今回は「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」でおなじみの古賀史健さんによる著書である「さみしい夜にはペンを持て」を読んだので感想をつらつらと書いていこうと思います。最近意識して読書量を増やす訓練をしているのですが、やはり本、そして読書は素晴らしいですね。ネットでの情報があふれている世界において、あえて本を読んでいるということで自己肯定感も上げられるし、新しい知識・視点も得られるし、個人的には最高の趣味だと思います。

結論から書いていきますと、「嫌われる勇気」レベルの衝撃を期待している人に取っては「期待値を上げすぎないで」と前置きが必要にはなりますが、サクッと読めて自分との向き合い方を知ることが出来る本ということでおすすめです。また、何か有意義な趣味が欲しいという人にとって「日記」という選択肢を与えてくれる本になっています。特におすすめなのが、中学生~高校生くらいの人、もしくはそれくらいの年齢のお子さんをお持ちの方になります。

内容

海の中で生活している魚介類を人間のように描く物語となっていて、主人公はタコのタコジロー君です。このタコジロー君が直球で言うと「いじめられて」おり、ある日ヤドカリのおじさんと出会うことにより日記をつけるように言われて・・・というストーリーになています。

そのヤドカリのおじさんとのやり取りの中で、日記を書く重要性や、どのように日記を書いていけば良いかという指南が丁寧に書かれており、ストーリーを読むだけで文章(日記)の書き方がわかるようになっています。その「How to」の部分が面白くて「へぇ~自分が子供のころに知りたかったな」というのが素直な感想でした。簡単に「How to」の一部を紹介すると、以下のようなものになります。

  • 出来事ではなく、考えたことを書く
  • いきなり全体ではなく、限定された場面を細かく思い出す
  • 世界をスローモーションで眺める
  • メモを取る習慣をつける
  • 特別な「すごい」は、似ている経験を探して表現する

項目だけで抜き取っているので簡素ですが、上記のような内容がキャラクターによって丁寧に説明されており、さらに具体的な例(というかその場で書かれている)もあるので、すぐに実践に使えるようになっています。

感想

文章(主に日記)の書き方を学べる本ですが、内容が物語になっているのでスラスラと読むことができます。逆にいうとサラッと読めてしまうので、貴重なHow toの箇所もサラッと流してしまい、頭に残らない可能性があります。How toの部分だけを情報として知りたい人にとってはその箇所だけをノートにメモする等の必要があるかもしれません。僕もノートにメモをして、いつでも見返せるようにしています。

そして内容とは離れるのですが、本作は物語のシーンによってページの背景や色、そして文字の表現が変わる仕様になっています。例えば主人公のタコジローがモヤモヤしているシーンではページの周りにモヤモヤした線が書かれていたり、ダークな話をするときはページが黒くなっていたりします。若干絵本寄りな感じなのでしょうか。これは僕がこれまで読んできた本には見られないものだったので、「こういう表現方法もあるのか」と驚きました。

最後に、自分用に今回の本で刺さった内容を書いて終わりにしたいと思います。

  • 書くとは、自分と対話すること
  • 心と書く文章が離れているのは、言葉を決めるのが早すぎるから
  • 書くことにおいては、表現力を身に着けることで、できることが格段に増えていく

一応ブログというものを更新している身としては、書くということに焦点を当てた本を読むのは良い経験となりました。これを機にもう少しアカデミックな「文章の書き方」系統の本を読んでみるのも面白そうです。こういう感じで、能動的に次にやりたいことが見つかる読書って、やっぱり良いですねぇ。

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