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固定資産2

USCPAの勉強。固定資産についてその2。

Fixed Asset

前回から、Fixed Asset(固定資産)についてとなっております。前回では、Fixed AssetとInventoryの違い、取得原価、取得原価に係る利息の取扱い、取得後の支出について等を書いてきました。今回はFixed Assetのメインともいえる、Depreciation(減価償却)についてみていきたいと思います。

■Depreciation(減価償却)とは

初めに、Depreciation(減価償却)とは何かについてから記載します。会計上、仮に企業が固定資産を購入した場合、その固定資産に関する費用については一括で費用として計上するのではなく、該当する固定資産の使用可能な年月(大体決められている)を推測して、その推測された年月に費用を分配していく必要があります。その「分配して費用を何回かに分けて計上すること」を減価償却といいます。

 

(例)1000万円の固定資産を期首に購入した場合、基本的にその期に1000万円の費用を計上するわけではなく、例えばその期に200万円分の費用計上、その次の期に200万円分、更にその次の期に200万円分・・・という具合に、長期間(期を跨いで)にわたり1000万を費用として計上します。

 

■Depreciation(減価償却)を行う理由

なぜ、Fixed Assesの場合は一括で費用計上を行わず、Depreciation(減価償却)という面倒くさい処理が必要となるのでしょうか。理由としては会計の考え方である、「マッチングの原則」が関わっています。そもそも固定資産は、その取得の目的は「長期にわたって収益を生み出すもの」とのはずです。

 

例えば工場を建てた場合、普通は工場の完成後、余程のことが無い限りその工場は最初の1年が過ぎた後もずっと稼働して製品を生み出し続けるはずです。言い換えれば、その工場は1年といわず何年も期を跨いで収益を生む資産なのです。それにも関わらず、もし工場を建てた最初の期に工場建設にかかった金額の全てを費用計上してしまうと、最初の期のみ費用が莫大になり、次の期からは費用がゼロにも関わらず、工場が生む収益のみが計上されるという事態になってしまいます。

 

つまり、財務諸表(収益と費用)にズレが発生するのです。この事態を避けるために、Depreciation(減価償却)という方法をとり、固定資産が生む収益と費用を対応させるということなのです。

 

■Depreciation(減価償却) methodの種類

Depreciation(減価償却)は様々な方法が存在します。よくあげられるものは以下の方法ではないでしょうか。

  1. Straight-Line Method
  2. Double-Declining-Balance Method
  3. Sum-of-the-years’ Digits Method
  4. Units-of-production Method

ここからは、それぞれの方法について説明していきます。

■Straight-line method(定額法)

Straight-line method(定額法)は、減価償却を考えるうえで最も単純な方法であり、勉強する人はまずこの方法から始めるのではないでしょうか。簡単に言うと固定資産の「取得価額」から、使用して最後に残るであろう「残存価額」を差し引いた金額を「耐用年数」で割ることにより、毎年の減価償却額を計算する方法です。式に表すと

 

(取得価額-残存価額) / 耐用年数

となります。計算上、1年間で見た場合の償却金額は一定になるため、定額法と呼ばれています。

 

【例】
具体的に当てはめていきます。問題に$100,000の機械(残存価格は$1,000、耐用年数10年)を2001年1月1日に購入したとして、2001年12月31日の減価償却費を求めなさいと記載があれば計算式は

 

100,000 – 1,000 / 10 = 9,900

 

となり、1年間の費用計上は$9900ということになります。注意点として、この問題においては1月1日に取得となっていますが、もし取得が4月1日などの中途半端なタイミングであれば、さらに月単位で案分する必要があるということです(ちなみに、実際の試験では中途半端な取得タイミングでの出題が基本となっています)。

 

■Double-Declining-Balance Method(定率法)

Double-Declining-Balance Method(定率法)は、そのFixed Assetを取得した期には大きく減価償却を行い、年数が経つにしたがって徐々に償却額を減少させていく方法になります。こちらの方法の理論づけとしては、固定資産が取得してから早い段階で大きく収益を生み、徐々に収益性が低下していくので、そのような性質に合わせた原価償却の計上方法になっています。計算式としては

 

簿価(取得価額 – 減価償却累計額) × 償却率

となります。こちらの「償却率」については、USCPAの試験では

 

2 / 耐用年数

 

となっていることが多いです。計算してみるとわかりますが、こちらの方法では定額法と比較した場合、耐用年数に対して倍の割合で償却していくため、Double-Declining-Balance Methodという方法の名称になっています。日本の簿記だと、償却率が与えられることもありますが、USCPAでは基本的に上記の式で償却率を求めることが多い印象でした。

 

注意点としては、減価償却費を求める計算式の中に、残存価額が入っていないことです。実際の問題文では、仮に減価償却費をDouble-Declining-Balance Methodで求めなさいと記載があっても、情報として残存価額も記載することにより、間違いを誘導してきます。Double-Declining-Balance Methodの場合は、残存価額が書いてあっても、スルーする必要があります。

 

【例】
具体的に当てはめていきます。問題文に$100,000の機械(残存価格は$1,000、耐用年数10年)を2001年1月1日に購入したとして、2001年12月31日の減価償却費を求めなさいと記載があれば計算式は

 

・1年目

100,000 × 2 / 10 = 20,000

 

となります。何度も書きますが、残存価額が考慮されていない点に注意です。さらに、2年目も計算していくと、以下のようになります。

 

・2年目

(100,000 – 20,000) × 2 / 10 = 16,000

 

計算方法として簿価を使用するため、取得原価から前年の減価償却累計額を控除している点に注意が必要です。こちらの方法でもStraight-line methodと同様に、仮に固定資産(この場合は機械)の取得が4月1日など、期中のタイミングであれば上記の結果からさらに月単位で案分する必要があります。試験の時に割り切れないと不安になるタイプのやつですね。

 

このあたりでFixed Asset(固定資産)に関するDepreciation(減価償却)について、一旦休憩をはさみたいと思います。次回は、今回紹介できなかった減価償却のその他の方法について書いていきたいと思います。

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