USCPAとして働く際に考えられるキャリアについて、今回はコンサルティングファームで働く際にはどのようなキャリアが考えられるのかについてみていきます。

コンサルティングファームとは

コンサルティングファームは、クライアント(つまりお客様)が抱える問題についてコンサルティングを行うことにより、その課題を解決する方法をクライアントに提供して報酬をもらうような仕事をしています。ただし、コンサルティングと言っても様々なタイプがあり、戦略コンサル・会計コンサル・ITコンサルなどに分類されます。要するに

クライアント「まじわかんねぇ。どうしよう。助けて。」

コンサル「ここらへんが問題ですね。○○(←解決策)しましょう。」

と提案する会社になります。実際に業務を行っている人様の会社に対してアドバイスを行うので、それこそクライアント以上に問題解決能力やプロジェクト推進能力が求められることになります。僕も監査法人に所属していますが、アドバイザリー業務にも携わっていますので、お金を貰って他人の会社にアドバイスを行うというのがどれほど高水準なレベルを求められるのかを理解しているつもりです。

考えられるキャリア

監査法人に転職してから、コンサルティングファームの方々と共に仕事をするようになったので、彼らがどのような仕事を行っているのかがほんの少し理解出来るようになってきました。以下のような箇所で、USCPAを活かすことができると思います。

会計システム導入コンサル

実際に会計システムを導入済みの企業で働いてみるとわかると思いますが、企業内部にあるシステムというものは、なぜか全然イケていません。現実の業務に全然合っていなかったり、システムを使うために従業員が(システムに合わせるために)わざわざ手間のかかるステップを何度も踏んでいたり(例えば、各部が導入しているシステム同士の相性が悪いためにシステムからファイル出力を行い、そのファイルを別のシステムに合う状態に変更して再度取り込むといった無駄な作業)、そういった不満が企業にはぎっしり詰まっています。

USCPAとして、会計システムの導入に関して、クライアントの社員だけでは把握できない大きな枠組みで会社のシステムをとらえ、よりベターなシステムを提案することが可能だと思います。ただ、しっかりと社員の日々の業務を理解しなければならないので、非常にタフな仕事になります。僕の知人も元会計コンサル出身の人がいます(USCPAの方です)が、激務で大変と言っていました。ただ、名刺にUSCPAと記載してあると「会計を理解している」と認識されるため、信頼されやすいという利点はあると思います。

財務コンサル

ある程度会計を学んでいると、企業の財務状態が良いか悪いのかは財務諸表を読み込むとある程度理解できるようになります。そこを起点に、クライアントの財務諸表を如何により良い形に持っていくのか、よりクライアントを成長させるにはどうしたら良いのかを財務面からコンサルする業務になります。ただこれは理想であって、中小企業などが相手だと「とにかく今すぐ使える現金が欲しい」という資金調達戦略などが必要とされる場合もあります。

僕が知っている例をあげると、クライアントから過去数年分の売上高と、それに伴う売上先のリストをもらい、どの取引先からどれだけ売上が上がっているかを把握し、自身の将来予想に基づき営業先を少しずつ将来有望な取引先に切り替えていくアドバイスを行うといった地味な作業から、価値を生み出していない固定資産をバッサリと売却し、必要となる固定資産についてはリースに切り替えてバランスシートをスッキリさせるといった資金繰り戦略のアドバイスを行うという業務を行っている人を知っています。他には大企業が行う海外投資プロジェクトに参加し、外国の税務面やクライアントに与える影響などを金額面で分析するという業務に携わっている人もいます。これらの業務に関しても、会計やビジネスを学ぶことが出来るUSCPAのスキルを発揮できると考えられます。特に海外案件が絡む場合には価値を発揮しやすいのではないでしょうか。

その他

それ以外にも、戦略を考える戦略コンサルやITコンサルにも、USCPAであれば財務の知的基盤は有していると認識されているので、僕が転職活動をする際にも、今検索してみても、ある程度の求人はありました。ただ、個人的にはUSCPAとしてコンサルティングファームをめざすのであれば、監査法人系のコンサルに行けば価値を発揮しやすいのではと思います。「コンサル」と一括りにしてしまうとわかりにくいですが、実際にコンサルが行う業務は非常に多岐にわたるので、上記に書いたこと以外にも様々な業務があると考えられます。

以上で、USCPAのキャリアのコンサルティングファームについてを終わりたいと思います。「USCPA コンサル 転職」などで調べてみると最新の求人情報がわかるので、興味がある方は是非検索してみてください。