Big4監査法人を徹底解説!なお1社の模様
皆さんこんにちは。今回は、よくある転職サイトやBig4監査法人を取り扱っているサイトの情報に対して、それぞれの項目に割とガチで私が回答していこうと思います。なおサンプル数は私が所属している監査法人1社なので(ごめん)、その分開き直って主観MAXで皆さんが知りたいであろう内容まで掘り進めようと思います。また、私自身は監査部門に所属したことがなく、生涯アドバイザリー業務しかしたことない(監査部門の実態は知らない)のでそのあたりもご了承ください。
Big4監査法人とは
まずBig4監査法人について簡単におさらいしていきます。世界ではBig4監査法人と言えば以下の4法人になり、”Big4”と名前だけ聞くとめちゃくちゃ強そうですが基本的に色々と世界的に合併していったらとんでもなく大きくなってしまった以下の監査法人のことです。日本でいうメガバンクと同じですね、と言えば失礼か(どちらに?)
- Deloitte Touche Tohmatsu
- KPMG
- Ernst & Young
- PricewaterhouseCoopers
これらの監査法人は日本においてメンバーファームという位置づけで4つの法人が存在しています。以下が日本におけるBig4監査法人となります。
- 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)
- 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
- EY新日本有限責任監査法人(EY)
- PwC Japan有限責任監査法人(PwC)
私が様々なサイトを確認したところ、これらの監査法人は日本における監査法人として影響力が大きく、待遇も良く、充実したキャリアパスが特徴とされています。果たしてこれらは本当なのか、冒頭で言った通り主観度MAXで徹底的に解説していきましょう。
年収とキャリアパス
さて、まずはBig4の年収やキャリアパスについて見ていきましょう。
年収
年収についてはこのブログでも何度か語っていますが、改めてサクッと確認しておきましょう。私が確認したサイトでは、スタッフレベルで500万円程度、シニアスタッフになると600万円、マネージャーになれば800万から1000万程度が一般的であり、パートナーになると数千万という書かれ方をしていました。
さて実態ですが、スタッフに関しては500万円でほぼ同意ですが、シニアスタッフになった時点で残業も込みで考えると700万円は超えるんじゃないかと思います。私はシニアになった時点で700万以下になったことはないと記憶しています。マネージャーもおおむね同意ですが、800万は少し低いんじゃないかな、と思います。そしてパートナーですが、パートナーになって年月が経っている人は数千万、海外のファームのパートナーは億を超えるという夢のある話を聞いたことがありますが、パートナーになりたての時は2000万に届かないくらいだと聞いたことがあります。
また、同じ職階の中で1年経過すると給料は少し上がるだけ(月1~2万程度UP)ですが、役職が上がると一気に年収は上がります。これまでシニアになったときとマネージャーになったときに年収が大体200万程度グンと伸びているので、これからも年収の伸びに期待したいところです。ただ、上の職階に行くにしたがって伸びは鈍化するという恐ろしい話が耳に入ってきているので割と萎えてます。この辺りは追って調査していきたいところです。
年齢と昇進
私が確認したサイトでは、年齢と昇進という区切られ方をしていましたが、ここに関しては(少なくとも)私が所属している監査法人とは違うかもしれません。このサイトでは以下のような区切られ方をしていました。
- 20代後半30代前半:スタッフからシニアで500~600万
- 30代後半:マネージャーとなり800~900万
- 40代以降:シニアマネージャーやディレクター:1000万を超える
普通にいけば上記のような感じかもしれませんが、私が所属している監査法人の場合、一般的なスピードで行くと1つの職階の中では4年、そして5年目から次の職階へ上がるという人が大半になります。割と年功序列な感じです。なので新卒22歳で入所したとするとシニアになるのは26歳程度、マネージャーになるのは30歳程度、という感じでしょうか。ただこれは転職者にも当てはまるので、転職したときにアソシエイトというスタッフレベルで入ってきた場合はその年齢から1からスタートになるので、その分昇格したときの年齢が後ろ倒しになるイメージです(私は思いっきりこれ)。私がブログで「興味ある人はさっさと監査法人の面接を受けた方がよい」というのはここに理由があります。
もちろん仕事がバリバリできる人は3年で昇格といったスピード出世もあり得ますが、そのような評価で評価会議にかけられる人はピックアップされてめちゃくちゃ見られます。
※監査部門は人が詰まっている&儲からないのでもう少し昇進スピードが遅いという話を聞いたことがありますが、真偽は不明です。
キャリアパス
年収をあげるためには順当に昇進していくのが一番無難です。そのためには「このプロジェクト、クライアントは自分のものだ」と言えるようなプロジェクトにしがみつき、一定の売上を自分が稼いでいると周囲に示す必要があります。要するに「こいつは出世してもアサインする先(仕事)がある」と上層部に納得させることが重要なのです。
ここに関しては、職階が上がっていくと昇進に必要となる売上金額も増えていくので、より大きな安定しているプロジェクトにいる人は安定して出世していきますが、そのスピードは順当なものになります。一方で完全に新規分野で今後どうなるかわからない領域(少し前であればESGなど)に全力を注ぎ、その分野が急拡大したときにその流れに乗れた人は先駆者として一気に売り上げを上げることができるので、スピード昇進することが可能です。
働き方・ワークライフバランス
監査業務であれば繁忙期と閑散期がメリハリが聞いていて、合同研修で一緒になった監査部門の人に話を聞くと「数週間の有休をまとめて取得する人もいる」という羨ましい話をされたこともありますが、やはり日本の企業は決算期が集中しているため繁忙期はとてつもなく忙しいとのことです。繁忙期の休日にオフィスに暇つぶし(!?)に行くと監査部門っぽい人がうじゃうじゃいるので、きっと本当に忙しいんだろうな、と思っています。
一方で、アドバイザリー業務については繁忙期も閑散期もあまり分けられておらず、アサインされるプロジェクト次第、また同時期に何個のプロジェクトに同時参加しているかという点で大きく変わります。毎年の決算支援ということであれば四半期ごとに忙しく監査部門と同様に繁閑がハッキリしていますが、クライアントが数か月で内部統制の文書化を終わらせてほしい、というプロジェクトの場合はその期間はある程度忙しくなります。もちろんそれら2つ、決算支援と内部統制文書化支援のプロジェクトに同時に参加している場合、決算支援の繁忙期と文書化支援の忙しい時期がかぶってしまうととんでもない忙しさになります。
リモートワークやフレックス制度
リモートワークについては可能ですが、クライアント次第です。私が今参加しているプロジェクトは、「どちらでもOK」というクライアントもいれば「全てリモートワークでお願いします」というクライアントもいます。一方、後輩が参加しているプロジェクトについては「原則出社して、クライアントと同じフロアで働いてください」という依頼があったのでリモートワークはできませんでした。コロナ前は100%クライアント先か事務所での作業だったことを考えると、本当に時代が変わったな、としみじみします。
フレックス制度についても導入されており、柔軟な働き方が認められていると思います。そもそもリモートワークが完全に普及しているので、業務開始時間も終了時間も自己申告なので、その日のうちに成果を出すべきものを出していれば、定時時間内での業務は実施したとみなされていると思います。ここはプロジェクトによって厳格さが変わるかもしれませんが、この自由さは私が監査法人を離れない大きな要因の1つとなっています。
ワークライフバランス
上記のフレックス制のところでも少し触れましたが、コロナを経てワークライフバランスのとり方は劇的に変化したと感じています。コロナ前はプロジェクトメンバーが一か所に集まって作業していたので、先輩の圧やクライアントの圧があり「長時間労働が当然」という空気がありましたが、リモートワークが普及して劇的に変わりました。
また、法人全体としてワークライフバランスを整える空気が醸成されてきており、男女問わずカレンダーの出社時間付近や帰宅時間付近に「送迎」とお子さんの送迎時間を入れてブロックしている人がたくさんいますし、家族イベント、自分用のイベントで半休、有休を入れるのは当然という空気となっています。これまで有休をとらずに消滅させまくってきた社畜の私としては、この変化は本当に感動ものです。それでいて年収は変化無しなので、文句なしのホワイト企業だと私は感じています。
ちなみにごくまれに昭和時代のパワハラ的なやばい上司にあたることがありますが、「プロジェクト抜けます」ということを言えばあっさりと抜けられたりするので、自分の身も守りやすい環境です。すぐ抜けるという印象を与えると若干不利になる可能性もありますが、この辺りは難しいところですが、自分の身が一番大事ですからね。
福利厚生
私がみたサイトでは充実していると書かれていたのですが、特筆すべき福利厚生はない、というのが正直なところではないでしょうか。健康保険や厚生年金は一般企業であればあると思いますし、研修といっても社内の人が研修講師をするのでプロというよりは素人の説明会というイメージです。もちろんプロを読んでコミュニケーションスキルの研修などもありますが、そもそもそれを業務時間内にぶち込んでくるので調整が難しかったりします。
語学や資格取得の費用補助もあるのは非常に助かりますが、手厚い、というほどか?という疑問はわいてきますね。もしかしたら私の当然と思っている水準が高くなっており、貴族のような傲慢な考えになってしまっている可能性はあります。
こんなところでしょうか。私が知っている情報を交えてBig4監査法人について書いてきましたが、皆さまの監査法人に対する理解が深まれば幸いです。