【書評】ゼロ

前のブログから大幅に加筆・修正を行って転載。

正直に言ってしまうと、僕は今回の本の書評を書くべきか迷いました。理由として、この本を読んで感じたことを、一旦は自分の中にとどめておきたかったからです。加えて、もし僕が書く書評の内容が拙く、それによりこの本を買うのをためらい、結果的にその人が本の内容に触れずに終わってしまうかもしれないと思ったからです。ですが、少しでもこの本を知る人が、また、手に取ってみる人が増えれば良いな、と思い、書くことにしました。それが、堀江隆文氏による「ゼロ」になります。

※ちなみにこちらの本、僕は既に数回ほど読み終わっています。先に結論から書いておくと、この本は今までの彼の著書の中で一番読んで良かったものになります。めちゃくちゃおすすめです。

まずおどろいたこと

本の内容に入る前に、表紙カバーについていた写真を見て驚きました。ホリエモン(本を読んだ身としては、ここでは堀江貴文さんと表記した方が良いかもしれませんが、あえて今回はこう書きます)がシャツを着て、さらにその上からネクタイをしめているのです。これがいかにめずらしいことなのかはホリエモンのことを少しでも調べたり、著書を読んだりしていると分かると思いますが、彼は大のネクタイ嫌い(のはず)なのです。そんな彼が堂々とネクタイをしている写真を起用しているということで、表紙カバーから、著者に何か変化があったことが想像できます。

軽い紹介

本の内容に簡単に触れてみます。この本では、これまでのホリエモンの人生が「よくそんな細かいところまで覚えているなぁ」と感心できるくらい赤裸々に記載されています。もはや「自伝」と分類しても問題ないかもしれません(ただの自伝で収まるものではありませんが)。小学校、中学校、高校、そして大学。それぞれの時代に彼にどのようなイベントが発生し、どのように感じ、どのような影響を受けてきたのか。そして、どのような出来事が彼に自信を付けさせていったのか。それらが余すことなく語られています。

この本に関して、彼の人生が記載されているだけなのにもかかわらず何度も読み返してしまうのは、書かれている内容が単なる自伝にとどまるものでは無く、彼自身が経験してきた、つまりいうなれば「体験社会学」のような形式となっていることが理由だと思います。今では日本中の大多数の人々が知っているであろう「ホリエモン」であっても、昔は普通の人間だったし、普通の学生だったし、もちろんたくさんの壁にぶち当たります。その壁は例えば「異性と上手く話せない」であったり、「ギャンブルにハマってしまう」であったり。僕ら凡人が普段からぶち当たる壁と大差はありません。貴重なのは、彼はそれらの壁をどのように乗り越えてきたのか。そして、壁を乗り越えた彼の目から見た世の中はどうなっているのか、この本を通して、それらを少し垣間みることができることにあります。そういった貴重な追体験がこの本を読むだけで出来てしまう、だから何度も読み返してしまうのだと思います。

物事を好きになるプロセスについて

特に僕が読んで目からウロコだった箇所は、「物事を好きになる」ことについてのプロセスが書かれているところです。以下、少し引用します。

ここで大切なのは順番だ。人は「仕事が好きだから、営業に没頭する」のではない。順番は逆で「営業に没頭したから、仕事が好きになる」のだ。

~中略~

つまり、仕事が嫌いだと思っている人は、ただの経験不足なのだ。

これを読んだとき、衝撃をうけました。USCPAを目指していた時は、どちらかというと勉強にばかり力を入れていて、仕事にはそこまで全力でなく、つまりインプットのみで「出来るビジネスマン」になっていたつもりでしたが、自分の感情としてどうも腑に落ちない部分がありました。USCPAに合格してからはどうすれば仕事に真剣に向き合えるのだろうかと考えていたのですが、そういうことか、と。ただ純粋に仕事に没頭していないからだと気付くことができました。

それに加えて、「仕事に没頭するコツ」の記載もあったため、早速色々試行錯誤しているところです。ゼロベースで会社のエクセルファイルを見直したり、自分でルールを作ってひたすら目の前の作業に取り組んだり。結果はまずまずでした。このモチベーションさえ保てれば仕事にどんどん没頭出来ると思います。これらを続ければ仕事が好きになれるのでしょうか。楽しみです。

これ以外にも、たくさん紹介したい箇所はあるのですが、それは読んでからのお楽しみとさせていただきます。ホリエモンが好きではないという人も、ぜひ、第0章(序論の箇所)だけでも読んでみてください。後悔はしないと思います。

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