大阪都構想:二重行政について

今回は、大阪都構想について、二重行政の結果、大阪市民の皆さんがどのようなことになったのかについて書いていきたいと思います。

二重行政とは

二重行政って何だ?という方に簡単に説明しますと、「大阪府」と「大阪市」が同じ権限を持つことによって、大阪に同じようなものを2つも作ってしまうということです。例えば、大阪府知事が、大阪市(大阪市も大阪府の一部ですので)に図書館を建てるとします。その際に、大阪市長も、「府に負けられるかい」と大阪市に図書館を建てるとします。権限があるから可能なのですね。あらら。大阪市に図書館が2つ。皆さんの必死に働いて納めた税金が、あまり使いもしない2つめの図書館になってしまいました。これだけじゃありませんが、簡単に言うとこれが二重行政です。そして、今の大阪府と大阪市の関係では、この二重行政が発生する「可能性」が一生消えることはないということです。

二重行政を放置した結果

でも、今回はその二重行政のダメな点を指摘するわけではありません。今回は、二重行政が存在することによって、大阪市民の皆さんにどのような影響があったのかについて、少し具体的に書いていこうと思うのです。

大阪市役所の失敗

大阪府と重なる権力を持つ大阪市によって、とてつもない金額の税金が無駄なものに費やされてきました。大阪維新の会のホームページに行くと、これまでの大阪市役所の過去の失敗例が紹介されています。今回は、その具体例としてあげられているものに絞ったお話になります。大阪維新の会のホームページによると、大阪市役所による数々の失敗例が、阿倍野再開発事業を筆頭に「事業」と「土地信託事業」に分けられて紹介されているのですが、そこに紹介されている失敗だけでなんと

総額1兆6000億円

の税金を使用したことが分かります。大阪市に権限があるために、1兆6000億円もの税金が無駄に散ったのです。「ふーん」と思った方、この金額がどれほど大きいか、少し説明します。

大阪市役所による1兆6000億円の失敗

僕は前回の記事で、一般的な大卒の人が生涯に支払う税金は約4000万円だとしました。何度も言いますが、人が一生に支払う税金が約4000万円です。働いた人であればわかると思いますが、税金、つらいです。額面からどんどんひかれて「手取り低い・・・」となる、あの税金です。税金がやっかいなのは、人生単位で分けて支払うことになるので、その税金がどのように使用されているかを深く考えないような仕組みになっているところです。そのため、自分が総額で4000万円も支払うという自覚がない人が多いのです。

大阪市役所の失敗に当てはめる

そこで、この4000万円を、この1兆6000億円の失敗に当てはめてみます。すると、

1兆6000億円 ÷ 4000万 = 40000

4万となるのです。この4万というのは、「人の数」です。4万人の人が一生をかけて支払った税金が、ほぼ全て無駄に使われたということになるのです。ここが非常に重要なので、想像してみてください。あなたを支えてくれたお父さんやお母さん、働いているあなた自身、おじいちゃん、おばあちゃん、あなたが大切に想う人、色んな人が必死になって働いて支払った税金が、4万人分、全部無駄になったのです。4万人です。一生分の税金が、きれいさっぱり無駄に使われました。権限を与えられた大阪市によってです。皆さんが支払った税金で生活している大阪市役所によって、全て無駄にされたのです。

大阪市役所の人は

ここまで無駄なことをやっているということは、さぞ後ろめたい気持ちでいると思うじゃないですか。それなら良かったのですが、人間というものは慣れたらなんでもありです。以下のURLを見ていただけるとわかるのですが、約10年前、二重行政で大阪市役所がやりたい放題やっていた時の記事になります。

スーツも生保掛け金も 大阪市役所ヤミ公費300億円
http://www.asahi.com/money/aera/TKY200503030172.html

これ以外にも「大阪市役所 ヤミ昇給」や「大阪市役所 ヤミ年金」などで検索すると、当時の大阪市役所の厚い厚い厚い厚い待遇が、どっさりと出てきます。つまり、当時、皆さんが必死に働いて納めた税金を4万人分全て無駄にした張本人たちが、全く悪びれる様子もなく、さらに自分たちの待遇アップだけを求めて昇給や年金の積み増し、さらにはスーツの支給まで行っていたのです。ちなみに、これらも全て、皆さんの税金です。上記のURLを見れない人のために、少しだけ引用しておきます。

大阪市が、福利厚生の名目で職員のために湯水のごとく公費を使ってきたことが、昨年暮れから次々と発覚している。<略>条例にないヤミの退職金や年金計約380万円(平均)を支給。このために、11年間で約300億円もの公費を投入した。在職中に死亡した場合に550万円が遺族に支払われる生命共済に職員3万7000人を加入させ、その掛け金を全額公費で負担。総額は22年間で約100億円に上る。<略>

懲りない職員たち

大阪市は1月13日、新年度からスーツ支給の廃止を決めたが、職員はあきらめきれない。「嫁さんに『スーツ買うから』いうて、その金を飲み代に回せてたのに、その口実もばれてもうたうえに、廃止かい」<略>さらに、子供が小中高校に入るたびに「祝い金」として、4万5000円ずつ出ていたが、家族に言わず、飲み代に回していたある職員は「祝い金のことが新聞に出た朝、『この金なによ!』って嫁にたたき起こされた」とこぼす。

【AERA発マネー】(2005年2月28日号)より引用

引用終わり。他人のお金で生活する人間なんて、こんなものです。大阪の人々の税金はこんなことに使われていたのです。

現在

その後、大阪に表れた「橋下徹さん」や「大阪維新の会の皆様」によって、公務員への無駄に厚い待遇はどんどんと削られました。そして、彼らによって推し進められる大阪都構想が、冒頭にあるような二重行政をなくし、大阪の人々の税金を二度と無駄なものに使用できないようとするというものなのです。話し合いで解決する?現状の行政システムが二重行政を発生させる仕組みになっているので、今後二度と発生させないためには、人間ではなく、仕組みを変える必要があるのです。仕組みさえ変えてしまうと、もう二重行政は発生しません

ちなみに、都構想に反対しているのは、上記にいるような公務員の方々です。自分たちで人様の税金を無駄なものに捨てたり、自分たちの待遇をあげることに熱心だった人たちが、必死になって反対しています。なぜか。賛成が多数になると、もう以前のような待遇に戻せなくなるからです。そして、彼ら公務員と仲良くしていたのが、今の大阪の自民党や共産党の議員たちです。公務員たちの組織票で簡単に当選できますので、反対をせざるを得ない。賛成などと言ってしまうと、公務員の支持が無くなってあっというまに落選です。公務員の方たちは、反対多数で維新を追い出した場合、またこれらの議員を使って税金を湯水のように使うことができるようになります。このような人たちが、さも自分たちが大阪市民の声であるかのようにふるまっているのです。恥を知らないというレベルではないのですが。

大阪市民の皆さん、過去の市役所の体質を思い出してください。仮に知らない場合は、上記の検索を行ってみてください。そして、あなたやあなたの大切な人が一生をかけて支払う税金を、大阪の未来のためか、公務員の優雅な生活のためか、どちらにするのかを考えてみてください。

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