USCPAは監査法人のパートナーになれるか

今回は、USCPAは監査法人のパートナーになれるかについて書いていきます。僕がUSCPAの勉強をしていたときに地味に気になっていたのが、USCPAとなって監査法人で働けたとしても、最終的にパートナーになれないのでは、ということでした。事実、日本の監査法人において、最終的に「監査報告書」にサインが出来るのは日本の公認会計士となっており、USCPAにはその権限はありません。そのような状況で、USCPAはパートナーになれるのでしょうか。

USCPAのパートナー

結論から書くと、USCPAでもパートナーになれます。事実として僕はUSCPAがパートナーのジョブで下っ端として働いたこともあります。各監査法人の「法人概要」を見ていただければわかりますが「社員」という表示があります。これがパートナーのことなのですが、これは日本の「公認会計士」と「それ以外」に分けられています。「それ以外」に該当する社員が、日本の公認会計士以外のパートナーになります。また「特定社員」という書き方をしている監査法人もあります。具体例として、新日本の人員構成を見るとわかりやすいので、引用してみます。

社員職員合計
公認会計士552名2,668名3,220名
公認会計士試験合格者等848名848名
その他13名1,378名1,391名
合計565名4,894名5,459名

引用:新日本有限責任監査法人HPより

この、その他の社員13名が日本の公認会計士以外のパートナーとなります。この中にUSCPAが入っている可能性があるということですね。まぁあえて悪い書き方をすれば、新日本はおじいちゃんだらけの古い監査法人なので、13名の中にUSCPAは入っていないかもしれませんが。他の監査法人はもう少し「その他」の人数が多いです。トーマツは社員527名に対して、特定社員が51名となっています。

どうすればパートナーになれるか

では、どうすればUSCPAとしてパートナーになれるかについて書いていきます。もちろん僕はまだパートナーではないので、予想ということになりますが、あながち間違っていないと思います。

1.非監査部門を選択する

僕はこのサイトでずっと言っていますが、USCPAであるならば非監査部門に入るべきです。監査は日本の会計士の巣窟となっているので、その場でUSCPAとして戦っても勝ち目は低いです。監査部門で出世していったとしても、最終的に監査報告書にサインが出来ないという、自分の力ではどうしようもない壁にぶち当たることになります。それまでに会計士の相互承認が進み、USCPAでもサインが出来るようになっているかもしれませんが、わざわざリスクが高い市場に飛び込む必要はありません。

2.新規分野を開拓する

非監査部門であれば、かなり幅広く業務を提供することが出来ます。具体例として、有限責任監査法人トーマツのHPから、提供しているサービスをあげてみます。

  • 監査・保証業務
    • 会計監査
    • 監査イノベーション
    • IPO(株式上場)
    • IFRS(国際会計基準)監査・保証業務
  • リスクアドバイザリー
    • ストラテジック&レピュテーションリスク
    • レギュラトリ―リスク
    • ファイナンシャルリスク
    • オペレーションリスク
    • サイバーリスク

引用:有限責任監査法人トーマツのHPより

これをみるとわかりますが、監査法人が行う非監査業務は多岐にわたっています。特にリスクアドバイザリーという業務は、会計とほぼ関係ない業務まで含まれています。誰かが新規業務として開拓したのでしょう。パートナーを目指すUSCPAが狙うべきはまさにこういう新規分野になります。世の中の動きに目を光らせ、新規サービスとしてクライアントを獲得し、監査法人にとってのドル箱ビジネスまで育て上げたとき、パートナーになっているでしょう。僕が知っているUSCPAはそのような経歴の持ち主でした。

まとめ

このように、USCPAが監査法人でパートナーを目指す場合、日本の公認会計士との直接対決を避け、自分の分野での勝負を挑むことが重要となります。幸い、今は世の中が大きく動きつつある時代となっています。AI、暗号通貨、ロボ、IoTなど、誰も正解を知らないことが次々と登場しています。自分が「これだ!」という分野を調べ上げ、クライアントに価値を提供できる人材になったとき、パートナーになれる可能性は十分あると思います。

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