結局USCPAは英語力が重要だと認識した話

最近つくづく思うことに、監査法人でUSCPAが差別化しようとする場合、英語力が比較的簡単に差別化できるスキルだということがあります。僕もある程度の期間を監査法人という環境に身を置いてきましたが、おかげ様で一般的にいうところの管理職ポジションまで上がることが出来ました。

ここまで来ると、クライアントに対してアホみたいに高い単価を請求する職階なわけであり、長い期間にわたり同じクライアントに対して従事してきてかなり実務に慣れ親しんでいる、かつクライアントとの関係性が出来ているという状況であったり、この分野なら任せろという専門分野があったりと、プロジェクトに参加(もしくは自分がリードする)にはそれなりの実力や経験がモノを言うようになります。

ところがどっこい、僕は自分に来るプロジェクトのお話は基本的に「やりまーす^^」と特に深く考えずに受けてきたため、一社のクライアントに長く従事したという経験がありません。更に便利屋なので「なんだこれ?だれがやるんだよ」みたいな単発プロジェクトに入ることも多く、ガチガチの公認会計士と比べると専門知識もそこまで高くないわけです。

「あれ?これ自分アサインされる先無くなるんじゃね?」とさすがの僕でも焦り始めました。とはいえアサインされる割合が低くてもボーナスとか査定には響きますが、即クビになるわけではないのでダラダラと管理職としての高給を貰うのも悪くないわけです。余談ですが管理職になってから空気みたいな扱いの高齢者がなぜ辞めないのか理解出来ました。ハッキリ言って高給です。辞めたくない。

とは言え、やはり「USCPAとして監査法人で働くのは最高です」というブログを書いている身としては、後に続いてくれる人の見本になるべきなのです。こんなブログでUSCPA最高!と焚きつけつつ、適当に働いていたら仕事無くなって生きづらいですとは口が裂けても言えないわけです。

さてどうしようと思っていたところ、ひょんなことから心を病んだ人との入れ替わりで僕が生贄になるという面白い単発プロジェクトがあったのですが、そこに引き込んだ人が、別の案件で英語を出来る人を探しているので僕にどうかとお誘いをいただいたのです。

病んだ人の代わりに生贄として僕を引き込んだ人の話だったので、もう少し冷静に考えるべきでしたがもう遅い。

「まぁちょっとくらいいいか」と軽い気持ちで引き受けたところ、それまで海外とのコミュニケーションを担当していた人があまりにも役立たずで僕への引継ぎをするまでもなく外されるという状況に陥り、バックグラウンド0の状態で海外コミュニケーション役として公衆の面前にさらされるという稀有な経験を味わいました。

10年くらい英語でのコミュニケーションをしてこなかったので正直散々な結果ではありましたが、個人的には必死こいて海外とのコミュニケーションを取りました。前任者が放置しまくっていて一切の連絡網がさび付いており、もう失うものも何もないのでチャット、メール、そして会議は怖いので最小限というチキンっぷりを発揮しつつ何とかプロジェクトとして前に進めることに全力を尽くしました。

結果として何とかプロジェクトは前に進むことになったのですが、それから海外関係の案件の話が自分から手を上げることなくポロポロと来るようになりました。「英語できるんでしょ?」という感じです。正直自分としては自己評価と周囲の評価の乖離が恐ろしくて仕方ないのですが、まぁこれで仕事が貰えるならありがたいものです。

驚きだったのが、この時代においても日本の公認会計士における英語アレルギーの多さです。一応海外案件のプロジェクトではあるのですが、中に入っている会計士たちが見事に英語から逃げているのです。正直会計士に受ける根性があるのであれば英語なんてサクッと出来るとは思うのですが、あそこまで毛嫌いする理由がわかりません。

逆に言うと、僕自身そこまで英語が得意な方ではありませんし、周囲にいる海外の大学を出た人や帰国子女と比べるとカスみたいな英語力ではありますが、それでも多数の会計士が英語アレルギーを持っているおかげで大きな差別化を出来ていると感じます。

ここでタイトルにつながるのですが、やはりUSCPAとして監査法人でやっていくには、差別化につながる英語力を鍛えるのも重要だとあらためて気が付いたわけです。なのでこのブログを見て「USCPAになって監査法人に入って高給取りになろう」と思う人は、ぜひ英語力も磨いておくことをおすすめします。

結局USCPAは英語力が重要だと認識した話” に対して1件のコメントがあります。

  1. ウマシカの骨 より:

    日本の片隅で『なんとなくパソコン詳しそう』でひとり情シス(IT老老介護)などをしている未経験文系バイト戦士クズ大学生です(このサイトはRPAのところから来ました。現在最もホットな地雷原)。この記事に限らず心に突き刺さり、衝動的に感想を綴っています。
    端的に言って闇より深い闇バイトと化してしまいました。前任者、前々任者共に蒸発した(らしい)ため、ITインフラは無法地帯、野良端末に野良アプリが寿命が切れたおじいちゃんソフトをヒャッハーしているような有様でした。この記事の『錆びついた連絡網』の下りとか100回いいね押したいくらいです。分からないなりに資格勉強(簿記2級・基本情報)したり、本や有益なブログを読んだりしてそれら無法地帯の改善(できずに把握すらまだできてない)や日々の介護(メールが、オフィスが、新しいpcの設定全部やって、等々)、ミイラ化して祀られた死体を入れ替えるために各所に連絡(ベンダーに丸投げ)をなんとかこなせていなかったのですが、最近(上司が別件でポカして連座で)役員の一人から『ちょっと』詰められたのです(もうクビかも、マジで)。なかでも一番高火力だったのは『なんで君、文系学部(ぼかしてます)で全然詳しくないのにさっさと辞めなかったの?』と言われたことです(注:この方は厳しいが、同時に社内で一番常識あって優しいと個人的には思う)。その通りだと思わず考え込んでしまいました。確かにクソクソ思ってもやめようと思ったことはなかった。自分でも信じがたいのですが、多分こういう問題だらけだけど何とか少しでも快適な環境を提供できないか考えるのが嫌いではなかったのです(あと地方のバイトにしては異常に払いがいい)。もういい加減就活ですが(なんとこの季節なのに自己分析すらブレブレ)、こういう系統の職って一体どのあたりを探せばよいのでしょうか?
    追記
    実は某なんとか診断士の勉強などを最近再開しました。前は続かなくて辞めてしまいましたが、なんか今はどういう場面で求められている資格(実質検定)なのかなんとなく想像でき、受かるまで勉強し続けようかな、という気分になっております。

    以上、全然記事関係ない長文自分語りを大変失礼いたしました。

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