中古マンション購入記6
僕が実際に中古マンションを購入した際の取引の流れについて記録してきたのですが、今回でなんと6回目になります。さすがに今回で購入までの流れは終わらせ、最後に実際に住んでみた感想で締めにしようと思います。これまでの流れは以下のようなものでした。
前回、ついにローン契約を結ぶにいたったのですが、初めてなのでもう少し「数千万円も借金して本当に良いのか、自分?」みたいな葛藤があると思っていたのですが、特にこれといった感想もなくあっさり完了したのを覚えています。ローン契約日も午後からは出社して涼しい顔で仕事していた記憶があります。では、最後の引き渡し日までに起こったことと、引き渡し日について書いていきたいと思います。
11. 引き渡し日まで(火災保険)
さて、このままあっさりと引き渡し日まで完了すればよかったのですが、そうはいかないのが僕の人生です。ローンを実施するためには、よくわかりませんが長期の火災保険に入る必要があります。これは借りる金融機関にもよりますが、僕がお金を借りる三井住友信託銀行では以下のような記載になっています。
住宅ローンを利用する場合、どのような火災保険の加入が必要ですか?
建物時価相当額を保険金額とし、貸出期間と同期間(10年超の借入期間の場合は10年契約かつ自動継続)の保険への加入が必要となります。
三井住友信託銀行HPのFAQより
このように、ローンを利用する場合には火災保険に入る必要があります。ところが、どのような火災保険に入るかは自分で決めておく必要があります。不動産屋に確認したところ、融資実行日までには契約しておいてくださいとのことでした。また、不動産屋と協力関係にあるFP(フィナンシャルプランナー)から連絡させるので、その人を通して契約していただければ大丈夫とのことでした。
ここで、嫌な予感がします。前述したとおり、僕は今回の中古マンションに関して、35年最後まで住むつもりは全くなく、途中で売却する予定ですので、保険といった追加的な費用は本当に不要なわけです。短い期間しか住まない場合、何か事故が発生する確率もほとんどないので、保険自体非常に無駄な出費になる確率が高いのです。
そこで、FPの人とも連絡を取りつつ、個人としても比較サイトなどを利用して一括見積りを実施して相場観を確かめることにしました。ただ、三井住友信託銀行が必要とするギリギリの水準を満たす保険には加入する必要があります。その辺りについてはFPが詳しいはずですので、相談しつつ最も安い保険に加入しようと思っていました。
今思うと、FPが少しでも役に立つと考えていたのがすべての失敗でした。何度がツイッターでつぶやきましたが、FPは僕らのような消費者の意向を組むより、自分たちの利益を最大化することしか頭にない残念な人がいます。今回の僕の担当も完全にそれで、何度も無駄なやりとりをする羽目になってしまいました。
まず、FPの方から「今回はよろしく。以下のような保険でいかがでしょうか」と連絡がきました。内容としては以下のようなものでした。
- 水災補償(床上浸水の被害)は〇階なので外しております。
- 建物火災保険は〇万円、建物地震保険は〇万円(火災保険の50%が上限です)となります。
- 家財火災保険は100万円、家財地震保険は50万円(火災保険の50%が上限です)と仮に設定しました。
- 日常生活賠償特約はご自身が損害の対象ではなく、相手に損害を与えた場合に出る保険(3億円まで)となります。
※例:自転車走行中に相手にぶつかりケガをさせる・水漏れを起こして階下に損害を与えるなど。 - 自動セット特約は、バルコニー等修繕費用として30万円となります。
- 万が一、火事などの事故が発生しても別途諸費用として火災保険金額の30%(上限300万円)が出ます。
- 保険期間は火災保険10年間、地震保険5年間(以降は自動更新)となります。
- 保険料のお支払いは一括払いとなります。※2020年〇月〇日にご指定のお口座より引落しとなります。
※クレジットカード払いも可能です。
なんと特約モリモリで見積金額は約15万円です。ダメだこいつ・・・早く何とかしないと。ちなみにこの時点で比較サイトを利用した一括見積の結果は大体4万~10万円くらいでした。明らかに不要なものがつけられまくっているのがわかります。契約金額の何割かがこのFPの懐に入る仕組みなのでしょう。
そこで、返事として「保険には一切費用をかけたくないので、三井住友信託銀行が求める最低限の範囲をカバーする保険で見積もりをお願いします」とメールを送信しました。その返事が以下になります。
「今回お送りした内容は、最低限加入された方が望ましい補償をお送りしました。建物火災や地震保険は基本的に必須ですが、家財保険や日常生活賠償特約を外したもので、再度お見積を作成致します。」
By 残念FP
僕は保険に関しては素人で、今回初めて色々と調べたのですが、なんと地震保険が「基本的に必須」だとは知りませんでした!ネットで検索したら一発でわかると思うのですが、よくここまでアホな文面を打てるものと感心します。さすがにイライラしたので、下記の2点を確認するメールを送りました。
- 地震保険は必須なのか:必須でないなら外せ
- 補償範囲の再確認:一括見積りの金額と比べると高い。不要な箇所は全て削れと最初に頼んだ
すると、一括見積とほぼ同じ金額まで下がった保険内容の見積もりが届きました。なんとその見積もりには地震保険が含まれておりません。あれ?必須じゃなかったの?一番最初に「不要なものは全て削れ」と頼んだのにも関わらず、数回の無駄なやりとりが発生するという有様です。一定のFPはこういうセコイことをしてお金を貯めているのでしょう。しかも、こんなことも書いている始末
「銀行が必要とする最低限の補償範囲はうかがっておりません」
By 残念FP
いや検索したら一瞬でわかるぞ・・・。聞いてないのでわかりません、という社会人でやってはいけない部類の上層にいる言い訳をぶちかましてきました。
ちなみに、このFPに顔を合わせるのが嫌だったのでネットで契約することにしたのですが、その場合でもこのFPが発行する契約書に記載のIDを利用しなければネットで保険契約をできない仕組みになっているようです。こんなクソシステムで守られているから、こんな仕事ぶりでも生きていけるのでしょうね。ちなみに、このFPにはさらに「契約書内の僕の住所の記載ミス」や「ネットで保険契約するようのログインIDのID記載ミス」など数々の愚行を披露していただきました。1円でもこのFPにお金を間接的に払っていると思うと吐きそうになりますね。
溜まっていた不満を爆発させてしまったので非常に長くなりましたが、いよいよ実際の引き渡し日を迎える準備がすべて整いました。これであとは引き渡し日に残る手続きを実施し、売主へ振り込みをし、鍵をもらって完了になります。
12. 引き渡し日
最後にFPに苦しめられるということもありましたが、とうとう引き渡し日が来ました。この日は買主である僕、売主、不動産屋、司法書士が集まり、一気に最後の手続きを実施する日になります。基本的に平日になるので、この日も有休を利用する必要があります。
僕は午後から出勤したかったので、午前の早い時間に開始するように依頼しました。確か朝の10時開始というスケジュールだったと思います。三井住友信託銀行の日本橋営業部(前にも書いた、三井本館にあります)にいくと、入口で不動産が待っていました。「あなたの紹介してくれたFP、開いた口が塞がらないくらいレベルが低かったですよ」と言いたかったですが、グッと堪えて笑顔で挨拶しました。模範的な社会人ですね。
そのまま無駄に豪華な会議室へ通され、豪華な椅子に座って売主と司法書士の到着を待ちます。数千万円借りるときは豪華な部屋になるのね、と思っていたら、不動産屋も「こんな豪華な部屋に通されたことないですね」と言っていたので、何か手違いでもあったのでしょう。その時、司法書士が到着して、名刺を交換しました。「米国公認会計士ってすごいですね」「いやいや司法書士の方がすごいですよ」みたいなやり取りを行います。
そうこうしているうちに、売主が到着します。ここから必要になるのは以下の点になります。
- 所有権移転登記申請を司法書士に依頼
- 銀行からローン金額が開設した口座に振り込まれる
- 振り込まれた金額から売主へ手付金を除いた金額を振込み
- 不動産屋へ仲介手数料の残りを振込み
- 司法書士へ登記費用を振込み
固定資産税などの細かい金額は、全て不動産屋が先に計算して合計した金額を売主に振り込むことになります。振り込みが確認できたあと、売主から領収書をもらいます。そのあと、鍵を手渡されて「売買物件引渡完了確認証」にサインと印鑑を押印して完了です。
※ちなみに、後日司法書士から「登記識別情報通知」「全部事項証明書のコピー」「住宅用家屋証明書」そして領収書が家に届きますが、これらの書類は非常に重要なので大切に保管する必要があります。理由については忘れました。
これらの流れを経て、ついに念願のマンションを手に入れることが出来ました。もう少し面倒なことが多かったような気がしますが、意外にあっさりと購入まで終わった気がします。鍵を手にしたときにもっと感動するのかと思いましたが、びっくりするくらいなんとも思いませんでした。ただ、新しい部屋に住んでみて、このマンションの購入は大正解だったとしみじみと暮らしています。実際にマンションを購入してみないとわからなかったメリットがわかってきたので、次回はそれらについてまとめていきたいと思います。次回のまとめ記事をもって、第1回マンション購入記は終了の予定です。このサイトを見ている人の大半が興味ない分野とは理解しながらも、将来の自分のため、また実は家を買うか迷っているひとのためにコツコツ続けてきました。少しでも誰かの役に立っていれば幸いです。