胃の検査ガチ勢が教える本当におすすめの検査方法
突然ですが、私は健康診断ガチ勢です。健康診断というか、人間ドックガチ勢といったほうが良いかもしれません。どのくらいガチ勢なのかというと、年齢的に「必要ない」と言われている時代から、毎年の健康診断をあえてオプションとしてお金を払い、人間ドックへと進化させて受けるレベルのガチ勢です。わざわざそんなことをする理由はたった一つ。重い病気になるのが怖いからです。毎年人間ドックを受けていれば、何かしらの兆候が出た際に発見し、早めの対策が出来るだろうとということで、年次の体内調査の一環として取り組んでいます。
さて、そんな人間ドックにも非常に困ったことがあります。それは、検査項目として必ずセットでついてくる「胃の検査」です。この胃の検査はいくつかの選択肢があるのですが、どの選択肢を選んだとしても控えめに言って地獄が待っています。私も毎年この胃の検査の対処に苦しんでおり、あまりの苦痛に人間ドックを受けるのを躊躇する有様でした。地獄のような苦しみを何度も乗り越え、そして、どうすべきかの一つの回答にたどり着きました。
今回は、私自身の体験談を通して、胃の検査について各種選択肢でどのようなことが行われるのか、どのようなことになるのかを思いっきり主観的に記載し、これから人間ドックを受ける人が少しでも参考になればと思っています。もちろん、私は専門家ではないので、あくまで主観的な情報であることを断っておきます。個人的なおすすめとその理由も書いておきますが、最終的にはご自身で判断していただくようお願いいたします。また、今回は記事の内容上若干下品な表現がでてきますが、それもご了承お願いします。
人間ドックで行われる胃の検査
まずは、人間ドックで行われる検査の手法について簡単におさらいしておきましょう。胃の検査には、主に「胃部レントゲン検査」「胃部内視鏡検査」の2種類が用意されています。基本的に日本でメジャーなのは胃部レントゲン検査で、オプションとしてお金を払うと胃部内視鏡検査が可能というのがほとんどだと思います。それぞれの検査について超簡単に説明すると、胃部レントゲン検査とは、世間的に有名な白いウンコが出るというバリウムを飲む検査です。謎の液体であるバリウムを飲んだ後に、レントゲンで胃部を撮影することにより異常が無いかを確認します。胃部内視鏡検査とは、胃カメラを口、もしくは鼻の穴からぶち込んで直接胃の中身を確認する検査です。この辺りは検索したら大量に出てくるので、深くは書きません。私はガチ勢として当然両方の検査を何度も経験済みですので、私の記事では、実際に受けてどんな感じだったのかを丁寧に説明したいと思います。
胃部レントゲン検査とその感想
胃部レントゲン検査では、まず検査の前に飲むバリウム、そしてその不味さが苦しいポイントだと思っていると、大きな間違いです。この検査の本当のポイントは、バリウムの直前に飲む発泡剤(炭酸ガス)です。この検査は発泡剤で胃袋を膨らまし、バリウムでX線に胃袋を映しやすくするというものなのですが、バリウムそのものは味がしない生ぬるいシェイクのようなもので、ガブガブ飲もうと思えば問題なく飲むことが可能です。つまりバリウムはウンコが白くなるので有名なだけの雑魚なのです。
本当につらいポイントは、発泡剤によって膨らむ胃袋からくる不快感と、加えて絶対にゲップしてはいけない(胃袋が縮むため)縛りプレイにあります。ゲップするときを想像してもらえば良いのですが、ゲップはその時は空気が抜けるので解放感がありますが、そのゲップが出る直前は空気で体内が圧迫され一瞬の不快感があると思います。あの時間が発泡剤により強制的に誘発され、かつゲップは禁止なのであの不快な時間がずっと続くことになります。
さらに、実際の検査では謎のクレーンゲームのような台の上に寝転がりながら、様々な角度から写真を撮るために身体を左右にくるくる捻りながら出来損ないのブレイクダンスを披露する必要があります。検査中は身体をぐにゃぐにゃ動かすので、その捻りに比例して体内の空気は行き場を求めて口から出ようと暴れまわります。ただ、ゲップをすると検査の意味がパァになってしまうので、本能であるゲップへの要求を執念で抑え込む必要があるのです。あの時間の不快さは尋常じゃありません。
そして検査後は、バリウムはそのまま放置しておくとカチカチになってしまうので、下剤を飲んでさっさと体内から排出しないといけません。これが人によっては大変な苦労を強いられます。要するにウンコが出ないのです。私も一度バリウム検査をした後に間違ってクライアントとの会食の予定を入れてしまったことがあり、検査後に時間が経ってから下剤を飲むことになったのですが、本当にウンコが出なくて苦労しました。ちなみにこのタイミングで有名な白いウンコと対面することが出来ます。
胃部レントゲン検査についてここまで書いてきましたが、実際の苦痛レベルでいうと、次に紹介する胃部内視鏡検査と比べると圧倒的に楽(苦痛が少ない)であり、その点に関してはメリットとなっています。ただ、少し調べれば出てくる情報ですが、胃部レントゲン検査はその有効性が直接胃の中身を確認する胃カメラに比べて低いと言われており、そこが大きいデメリットとなっています。不快な体験をしているのに効果が低いのは個人的に致命的なので、私は何度かレントゲン検査を経験した後は胃カメラに切り替えました。
胃部内視鏡検査とその感想
最初に言っておきます。胃部内視鏡検査は、合法的な拷問です。検査前、検査中の全てがキツい。内視鏡検査は口からカメラをぶち込むパターンと、鼻からカメラをぶち込むパターンがありますが、両方について説明します。まずは口からカメラをぶち込む場合を説明します。
まず検査前に、口からの場合も鼻からの場合も麻酔をする必要があります。口の場合は謎の液体を口に含んで、上を向いてその液体を決して飲み込まないようにOKが出るまで耐え続ける必要があります。これがめちゃくちゃきつい。
この行為を文章で見るだけだと何一つキツいと思わないかもしれませんが、この口に含む液体は感覚を麻痺させるものであり、じわじわと喉の感覚が鈍くなってきます。つまり、本能としては「喉の奥の方に何かある。よし、飲み込もう^^」となるため、口に含んだ液体を体中が飲み込もうとするのを全力で止める必要があるのです。そして時間が経てば経つほど感覚が鈍ってくるため、比例して飲み込みたい要求が高まってくるのですが、この液体は決して飲み込んではいけません。私のときは5分だったと思いますが、この永遠にも感じるような苦痛の時間経て、ようやく本番の検査に進むことが出来ます。
この時点ですでに「唾が喉の奥に常にある」ような不快感を感じることになりますが、この唾をのみ込むのも禁止です。感覚が鈍くなっているので気管に入る可能性があるため、唾がでそうな場合はティッシュに吐き出し続けなければなりません。これも地味に不快です。
そして実際の検査なのですが、上記のような不快な経験をしているのでバッチリと感覚がマヒして、カメラを口からぶち込んでも大丈夫だろうと思っていたのですが、全くそんなことは在りません。カメラが口の中を進んで喉を通るときに「オエッ」という反応が始まります。先生としてはこのつらい時間を一刻でも早く終わらせるためにスルスルとカメラを入れていくのですが、受けている身からすると喉に固形の管が通っている状態であり、本能としては「喉に何かある。飲み込むか^^」となるわけです。そうすることにより喉が動き、カメラに接触することにより再度「オエッ」となるわけです。これがマジでずっと続きます。
- 常に喉に硬い管があり、飲み込みたい
- 唾がたまり、飲み込みたい
- 体内に管が通っており、不快感が強い
- 本能に従い飲み込む動作をするとオエッとする
- 鼻水、唾液が垂れ流し状態
この状態が検査期間中ず~~~~っと続きます。ちなみに不快感と書きましたが普通に痛いです。胃が痛くなる時の感覚である、「胃がキリキリする感じ」はわかっていただけると思いますが、あのキリキリした感じが検査中はずっと続きます。さらに検査中は胃の中に空気?か何かを入れているのか、膨張する感じもあり、苦痛と不快感のラッシュが続きます。楽に受ける方法を見ると無心になるとか、ぼーっとするとか書かれていますが、あの状況で無心になれる、ぼーっと出来るのであれば、すでにその人は煩悩を消し去り、悟りを開いている可能性があります。
実際の検査期間中の私の心の中は「麻酔したのにこれ!?」「この苦しみから逃れられるならなんでもする」「この苦しみは死んだ方がマシ」「こんな苦しい思いして検査するくらいなら病気でも良いのでは」「人生で一番苦痛」「二度とやらない」「この検査手法考えたやつを追い詰めたい」「現代の拷問」といった思考がぐるぐると回っていました。
検査後は燃え尽きます。控室に送られてぐったりとするのですが、検査の後も少しの間は麻酔が抜けていないので水すら飲むことが出来ません。
ちなみに鼻からカメラをぶち込むパターンの場合、ネット情報では口より楽と書かれていますが全くそんなことはありません。口からカメラと比較して、鼻からカメラの場合、楽になるのは検査前の麻酔フェーズです。ここではスプレーのようなもので鼻からシュッとして、喉から垂れてきたら数秒我慢で飲み込むのですが、これが口の時の謎の液体を含み数分待つものと比べると天地の差で楽になります。
ただ、実際に鼻からカメラをぶち込む際はどちらの鼻からぶち込めるかを確かめる作業から入るので、最初に入らない方の穴を選んだ場合は苦痛を伴うことになります。私の場合は左の鼻から入れることが出来たのですが、最初は右から確かめたので無駄に「右の鼻の穴からは入らない」ということを確かめるために鼻の穴でカメラの管を置くまでズンズン進められ、普通に痛い思いをしました。
もちろん鼻の穴から管を入れるため、口と比べるとオエッとなる感覚はそこまで大きくないのですが、代わりに胃のキリキリする痛みをよりダイナミックに味わえることになります。また、鼻の麻酔は鼻の奥だけにかけられているので、入り口付近には麻酔が全くかかっていません。その状態でカメラを進めるためにカメラの管を手元でグリグリ動かすものだから、常に鼻フックにかけられているような痛みが鼻を襲うことになります。実際に自分がどのような状態で検査を受けているか確認することはできないので想像するしかないのですが、私が検査を受けていた際はガチで鼻の穴の入り口が裂けるのではないかというくらい痛い鼻フックが左鼻を襲い続けていました。
このように、正直一度この検査を受けると「もう一生受けなくてよい。助けてくれ」と思う胃カメラ検査ですが、やはり直接的に体内を確認するというだけありバリウムと比べて安心感があります。ただ何度もしつこいようですが本当にしんどい。健康のための毎年の拷問として受け入れていたのですが、こればっかりは本当にどうにかしたいと真剣に考えていました。
鎮静剤のススメ
めちゃくちゃ長く実際の検査とその感想を書いてきましたが、様々な検査を一通り経験してきた私としての結論は「鎮静剤を使用した胃カメラ(鼻から)検査」がこの苦痛を和らげる唯一の方法だと考えています。正直、これまでの検査で受けた麻酔が全く苦痛の軽減につながっている気がしなかったので、鎮静剤の使用には懐疑的でした。さらにネット予約にも対応していない、追加で料金がかかる、ごくごく小さい確率ですがリスクがあるなど、デメリットがあることもあり、数年以上使わずに拷問と戦ってきたのです。
ところが、やはり少しでもあの苦痛を軽減したいと考え、数回前の人間ドックで鎮静剤の使用をしてみた結果、これが私には非常に効果があることが判明しました。検査の直前に鎮静剤を打つのですが、一瞬で眠った状態になり、次に気づいたときには若干の胃部の違和感と共にふらふらと目を覚ますことになります。効き目が弱い人だと酔っているときのようにふわふわした感覚が続くようなのですが、何度か試した結果、私の場合は即落ちるようです。ここに関しては完全にラッキーでした。
「でも追加でお金がかかっちゃうじゃん」という人もいると思います。全くその通りなのですが、私は正直鎮静剤が5万円くらいの費用がかかるとしても、鎮静剤を選択すると思います。胃カメラによる苦痛はそれほど重い。あれを避けられるのであれば喜んでお金を払います。
注意点としては、よくある「どこまで耐えられるか頑張ってみる」みたいなチャレンジをしたとして、仮に鎮静剤を入れて効き目が出てくるのに耐えて覚醒した場合、その後は追加で鎮静剤を投入しても無駄らしく、その場合はこれまで通り覚醒した状態で胃カメラの拷問に耐える必要があるとのことです。
まとめ
最後に、検査前、検査中、検査後の苦痛をそれぞれの検査で表すと以下のようになります。黒い星マークが個人的な苦痛レベルです。
検査方法 | 検査前 | 検査中 | 検査後 |
---|---|---|---|
レントゲン | 発泡剤によるゲップ我慢 ★★ | ゲップを我慢しながらのブレイクダンス ★★ | 下剤と便秘との闘い ★★ |
胃カメラ(口) | 謎の液体を口に貯める ★★★★ | 拷問 ★★★★★★★★★★★ | 若干の不快感 ★ |
胃カメラ(鼻) | 鼻から麻酔スプレー ★★ | 拷問 ★★★★★★★★★ | 若干の不快感 ★ |
ここで、鎮静剤を使用することにより胃カメラの「検査中」の苦痛が取り除かれると考えた場合、「鎮静剤+胃カメラ(鼻)」の組み合わせが最も苦痛がない検査ということになります。
これから人間ドックで胃部の検査を受ける人には、この組み合わせで進めることをおすすめします。もちろん、最終的にはご自身の判断で行っていただくものですし、個人的には胃カメラの拷問は一度受けてご自身の拷問耐性がどの程度かを計測する楽しみも味わってほしいですが、苦痛が嫌な人はぜひ参考にしていただければ幸いです。