自己肯定感を上げるOUTPUT読書術
今回読んだ本は、Youtuberである「アバタロー」氏の著書「自己肯定案を上げるOUTPUT読書術」です。このサイトを始めてから、USCPA関連の情報をアウトプットしていたのですが、合格してライセンスまで取得すると、記載する内容がそこまで多くないことに気が付いたわけです。そこで、追加として趣味の1つである読書の書評(というか読書感想文)をたまに書くようにしていたのですが、どうも我流で書いていると毎回内容がブレるわけです。さぁ困った。
そこで今回は読書のアウトプットに特化した本は何かないかということでいろいろと調査し、こちらの本を選ばせていただきました。
内容
この本において、著者は「読書をすることによって、人は自分のことを「これで良い」と感じることができる(つまり自己肯定感が上がる)ようになる」という主張をしています。そして、その自己肯定感を上げるのに効率的な方法が、読んだ本の内容をアウトプットすることだとしています。その上で、具体的にどのように読んだ内容をアウトプットすればよいのかというノウハウがぎっしりと詰め込まれています。ただ、この本自体が読書初心者に向けられて書かれたものなので、すでに読書を習慣としている人がどうやってアウトプットすればよいのかを知るために見る本としては、入門編という位置づけになるのかもしれません。
では、どのように読んだ本についてアウトプットしていけばよいのでしょうか。僕が自身への備忘録を兼ねて需要だと思ったところを記載していきますので、参考にしていただければと思います。
まず、読書に限らず何かしらを効率的にアウトプットするためには、以下の基本の「型」を抑える必要があります。
- ステップ1:インプットした情報の整理
- ステップ2:インプットした情報の理解
- ステップ3:インプットした情報の編集
- ステップ4:インプットした情報の出力
冷静にステップを見返してみると「そりゃそうだよね」という感想になると思うのですが、こういったように作業の一連のプロセスを可視化してみるのは意外と難しいのです。この型はいわばアウトプットに関する原則のようなものなので、この型に沿って準備すれば効率的にアウトプットできるようになります。
アウトプットの型
次に、具体的な読書のアウトプット方法についてみていきましょう。少し表現が異なりますが、上記の型に沿って行われていることがわかると思います。
1.読書の環境を整える
まず、読書に入る前に集中する環境を整えることから始めます。身の回りを整理し、視界に入るのは本とペンと付箋だけといった世界を実際に作り出します。特にスマホは視界から完ぺきに消し去りましょう。
2.仮説を立てる
本の表紙、目次、帯の記載から、読む本についての仮説を考えます。5W1Hを意識した質問を自問自答することにより、どういった本であるのかという仮説をあらかじめ立てておくのです。注意点としては、これは軽く行うものであり、時間をかける必要は全くないということです。
3.拾い読みから始める
いきなり1行目から気合をいれて読んでいくのではなく、著者の熱がこもっている箇所を拾い読みします。コツは3点あり「文章の最初と最後に注目すること」と「強調表現(最も重要な~~)に注目すること」、そして「譲歩構文(確かにA、しかしB)を見逃さないこと」です。ここで多少の抜け漏れがあっても何も問題ありません。
ここまで一通り終えた後に、読解に入っていくのですが、単純に読むわけではなく、「ツッコミモード」で読んでいきます。ツッコミモードとは、著者の主張に線を引きながら、納得できるところは頷き、違和感を覚えるところは「ほんと?」とツッコミを入れていく読み方です。このツッコミモードにおいてツッコミを入れやすい箇所は「問い」「主張」「根拠」となります。
このツッコミモードによる本との対話を通じて、自分の意見を熟成させることができます。
付箋を活用する
本を読むうえで重要となるのが「付箋」です。著者は付箋の枚数を制限することを推奨しており、最大で3枚以内に抑えることをお勧めしています。具体的には、各章を読み終えた後に「自分にとって最も重要だった箇所はどこか」を考え、1枚だけ付箋を貼ります。つまり、各章1枚だけ付箋を貼れます。そしてそれを最後まで続け、最後に「一生記憶に残しておきたい」箇所の付箋を3枚だけ残して残りは捨てるのです。
4.要約する
ここまできて、後半の要約パート(上記のステップ3:インプットした情報の編集)に入ります。要約とは、これまで本につけてきた記録と、付箋を頼りにしながら、A4の紙1枚に内容をまとめていく作業のことを言います。こちらは最後の作業である「アウトプット」につながる土台作りであり、筋の通った構造で書くことが重要となります。
こちらの要約には基本的な「序論、本論、結論」という型や、本の内容の要点を羅列する「要点まとめ型」といったパターンがあります。序論、本論、結論型は日本人が論文を書くときによく聞くものですね。まずは著者の主張を書き、次にその根拠を欠き、最後また主張を繰り返すというものです。要点まとめ型はその名の通り要点をまとめる型であり、例えば付箋を貼ってある箇所を抜き出し、まとめて羅列するというものです。
5.発信する
いよいよ最後の「発信」になります。僕は基本的にこのサイトで発信することを決めているため、この箇所はサラッと流し読みしただけになるのですが、最後なのでまとめておきます。
まず重要となるのは「発信先」を誰にするのかという設定です。僕はこのサイトを当初は「USCPA」に興味がある人としていましたが、今では特に誰に向かってとは気にせずに色々な内容を発信しています。基本はUSCPA、監査法人、会計に興味がある人に向けているつもりなのですが、変に縛りを入れて更新ができなくなっても困りますので。
次に、上記のステップで自分が要約した内容を見返し、自分が発信先に設定した人がみてわかる内容となっているか、発信先に向けた内容となっているかを確認します。そこでわかりにくい言葉を見つけたら、適宜修正していきます。ちなみに僕はこの「推敲」と呼ばれる作業がめちゃくちゃ苦手、というか嫌いです。せっかく気合入れて書いた文章をさっさと公表したいのです。自分で見返すことによって、自分の失敗を見るのが嫌なのかもしれません。正直やった方が良いのは理解しています。
※USCPAの情報の箇所は定期的(長期休暇の都度)に見返して、何度も修正を繰り返しています。
ここまでの長いステップを踏んで、最後に自分が発信したい媒体を利用して発信します。
その他
これ以外にも、本書では選書の方法や、どういった情報をインプットするのかという情報も盛り込まれていますが、今回の書評ではそこには触れないことにします。ただ、自分でどういった本を買えばよいのかさっぱりわからないという方には、かなり役に立つ情報となっているので一読をおすすめします。
まとめ
正直、僕は普通のサラリーマンだと自負しています。USCPAを目指すと決めたときから、「情報がないなら自分でアウトプットをして情報を増やせば後輩の役に立つだろう」と軽い気持ちでブログを始めましたが、まさかここまでアウトプットを続けることになるとは思っていもいませんでした。本書の「読書をアウトプットする」というコンセプトとは完全に一致するわけではありませんが、ブログを続けた経験から、僕もアウトプットは自己肯定感を高めるのに非常に役に立っていると思います。
少しでも「自分なりのアウトプット」に興味がある人、そして自己肯定感をなんとかしたい人は、この本を読んでみてください。きっと、本を読みたくなるでしょう。アウトプットをしたくなるでしょう。もし続けることができれば、その時にあなたの人生は変わっていると、僕はそう思います。