監査法人の勤務事情

皆さんこんにちは。今回は、事業会社に在籍しているとわかりにくい、監査法人の勤務体制がどのようになっているかについてお話します。僕が監査法人への転職の時に困ったのが、「監査法人勤務の人はどのような勤務体制なのか」ということがサッパリわからない、イメージがつかないということです。監査法人というのは(今ではそうでもないですが)会計士にならないと入社が難しく、しかも会計士自体の難易度も非常に高いので、周囲に簡単に相談できる人がいないという人が多いと思います。僕もそうでした。そこで、今回は監査法人の人がどのような勤務になっているのかについて、特に事業法人と異なる点に注目して書いていきます。

所属部署について

まず、事業会社にいる人は想像しにくいと思いますが、所属部署については基本的にクライアントの業種によって分けられます。監査法人のホームページを見るとわかると思うのですが、業界ごとに分けられた紹介になっている法人がほとんどです。「金融」「自動車」「ヘルスケア」「小売」などですね。これが所属する部署になります。〇〇監査法人金融部といった感じですね。事業会社だと「人事部」「財務部」「営業部」といった分け方になっていると思いますが、ここがまず異なるポイントだと思います。※もちろん監査法人にも人事部や財務部もあります。

基本的に所属する部署の業界クライアントに対するプロジェクトにアサインされることになります。アサインされるとはプロジェクトに割り当てられることを意味します。この辺りは次で詳細に説明します。

プロジェクトについて

僕が一番イメージできなかったのがこのポイントなのですが、基本的に監査法人ではプロジェクトベースで働くことになります。監査法人に入社すると、自分のスケジュールカレンダーのようなものを見ることが出来ます。例えば、仮に僕がA監査法人の金融部に配属されたとします。すると、金融部の各プロジェクトに「この人が入社しました。今のところフリー(ヒマ)です」といった情報が流れます。すると、プロジェクトのマネージャー等の権限を持つ人が「じゃあこいつウチのプロジェクトにアサインするわ」となり、僕のスケジュールにアサインされたプロジェクトの情報が載ることになります。「5月27日~6月30日までB銀行の監査」という感じですね。他のプロジェクトの人も僕を使いたいとなると「じゃあ木曜日と金曜日だけはC証券の監査で」といった調整が入るわけです。こうなると僕のスケジュールには月~水曜に「B銀行監査」、木~金曜に「C証券監査」と入り、割とバタバタする日々を送ることになります。

ちなみに、自分のスケジュールにプロジェクトが表示された場合、即時にそのプロジェクトのマネージャーに連絡を取り、何時にどの場所に行けば良いか、必要な持ち物は何かを自分から聞きに行きましょう。会計士はコミュニケーション能力が劣っている人がいる場合があるので、プロジェクトが予定されている前日になっても連絡が来ないなんて普通にあり得ます。そして、指定された場所に行き、そのプロジェクトで任される仕事をこなせばOKです。モリモリ働いて「こいつ使える」と思ってもらえると、次もそのプロジェクトに呼ばれる可能性が高いです。逆に「こいつ使えない」と判断されると、次からはアサインされないことになり「こいつヒマだよリスト」に毎回掲載されるという屈辱を味わうことになります。僕の元にもこのリストが毎回送られてくるのですが、毎回同じような顔ぶれなので悲しい気持ちになります。

勤怠管理について

監査法人の勤怠管理は、上記と同じようにプロジェクトベースで行われます。例えば僕がB銀行の監査にアサインされており、5月27日に7時間、B銀行の監査を行った場合、勤怠管理システムに「B銀行:監査」というコードがあるので、そちらを打ち込んで「7時間」を入力します。それが10時間だった場合は、3時間の残業となり、理由を記載します。上司がそれをシステムで見て、承認するという流れになります。同じように、他のプロジェクトにアサインされた場合は、そのコードを入力して勤怠管理することになります。ここでも何もアサインされていない人は、無理やりE-learingの研修を受けて「研修コード」で1日を過ごすか、「ヒマでした」コードでお茶を濁すかをしなければなりません。僕はこれまで幸いなことに「ヒマでした」のコードを入力したことはありませんが、今後も気を付けて仕事に励みたいと思います。

こんなところでしょうか。監査法人の勤務体制について、少しでもイメージを持っていただければ幸いです。

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