「読む」だけで終わりにしない読書術
今回紹介する本は、Youtubeで本の要約を動画にしている「本要約チャンネル」を運営しているYoutuberの「たけみ」氏と「りょう」氏による「読む」だけで終わりにしない読書術となります。僕はこれまでの人生で、日本人の中では相当上位に入るくらい本を読んできたと思いますが、どうしても本を読んで満足するということから脱却することができませんでした。
そんなとき、書店でふらふらと歩いていると今回のタイトルが目に入ったので、とにかく読んでみるかということで手に取ったのが読むきっかけとなります。ちなみに失礼ですが「本要約チャンネル」についてはみたことがないので、また別の機会に見てみようと思います。
内容
本書の内容はいたってシンプルであり、簡単にまとめると「読む」だけで終わりにしない読書術とは、読んだ本の内容のうち、自分の人生にとって有益であると思えるものを自分の毎日に取り入れ、かつその効果をノート等に毎日記録していく「レコーディング読書」のことになります。
例えば、朝の仕事の生産性を上げたいという人が生産性に関する本を読んだ際に「朝に散歩すると午前の仕事がはかどる」という内容を知ったとします。その場合、次の日から朝に散歩を実施し、午前中の仕事の生産性がどうだったのかということを記録していくのです。これを2週間程度続け、自分に合っていると思えばそのまま採用して日常のルーティーンに組み込み、自分に合わなかった場合は別の本に書いてある手法を試してまたノートに記録していくというものになります。
つまり、本の内容を読んだだけで終わりにするのではなく、読んだ内容のなかから自分の人生を変えてくれそうなものに対して日常に組み込み、よければ採用、よくなかったら次の手法に移るというPDCAを回し続けるものになります。非常に合理的ですね。
また、この「レコーディング読書」以外にも、この読書術に到達するまでに身に着けたい読書術について、数種類の方法が紹介されています。それぞれについて簡単に紹介します。
目的型読書
自分の目的に合った書物を見つけるために、本の要約サイトや口コミ、レビューに目を通すことにより、購入する本と自分の目的が離れないように、つまり目的に沿った本を購入することができる。
ドーパミン読書
本を買った瞬間の熱を逃さないように、購入したらとにかくすぐに読み始めるようにすることにより、集中力と記憶力を高めることができる。
ランニング読書
本を読む前に5分程度の軽いランニングをしてから読書を始めるようにすることにより、集中力を高めることができる。
能動型読書
メモを取りながら本を読むことにより、または読んだ後に直後に感想を書くことにより、本の内容を他人事ではなく自分事としてとらえることができる。こうすることにより、アウトプットを通して内容の理解が深まり、忘れにくくなる。
分散型読書
とにかく空いている時間は数分でも良いので読書に充てることにより、合計時間では多くの読書時間を確保することができる。
マインドセット読書
本に書かれている内容を実践することにより「読書には効果がある」とマインドセットをする読書。特に、簡単にできてすぐに効果が出ることを試すことにより、簡単な成功体験を重ねることができる。
これらの読書術に加えて、最も重要(というか本書における到達点)である「レコーディング読書」が、1章を丸々使用してどのように実施するのかが記載されています。
まとめ
確かに、僕はこれまで読んできた本の中で「これはできたら人生変わりそうだ」というものに出会っても、その内容は数日間は試すことができても長続きせず、気が付いたらその内容は頭から消えているということが多かったのですが、それはその頑張りについて記録、つまりレコーディングしてこなかったからなのかもしれません。記録することにより自分の調子が上がっていることが観測できると、もしかしたらルーティーン化することに成功するかもしれません。そんな希望を抱ける本でした。
「毎日レコーディングできる気合があれば困っていない」という人がいるかもしれません。それはそうです。そこの壁をぶち壊すのはやはり個人の気合しかないのでしょうか。そのあたりについてはもう少し考えていきたいと思います。