管理職の役割として重要な3つのこと

今回は将来の自分に向けた教訓かつ備忘としての内容を記録しておこうと思います。題して「マネージャーの役割として重要な3つのこと」です。

絵は本文と一切関係がありません。

はじめに

どうしてこの記事を書こうと思ったのかというと、僕はUSCPAとして監査法人に入所してからというもの、そこまで面倒な(というより嫌な)プロジェクトに携わることは無かったのですが、今回非常にやりにくいプロジェクトに関わることになりました。

どうしてこんなに仕事がやりづらいのだろうかと考えていたのですが、ある時、仲の良い上司から話しかけられることになりました。「最近、〇〇さんのジョブに入ったらしいね?あの人良い噂聞かないけど大丈夫?」

そ、それだ!

そう、僕がやりづらいと思っていた原因は新しいジョブのマネージャーだったのです。もちろん僕にも問題があるかもしれませんが、誰に聞いても問題があると言われているマネージャーなので(じゃあ昇進させるなよ・・・)多数決で僕は悪くないということにしておいてください。

正直プロジェクトを変えれば良い話でもあるのですが、プロジェクトの仕事内容は僕にとって非常に良いものなのです。そこで、プロジェクトには残って仕事内容を吸収するとともに、そのマネージャーを観察することによって反面教師として活用し、将来に活かすことにしました。観察に加えて、同じようにプロジェクトで苦しんでいる下っ端の意見を収集してみると、マネージャーとしての必要な素質が浮かび上がってくるではありませんか。それらを大きく分けると、以下の3点に集約されました。

  1. 方針を決める
  2. クライアントとコミュニケーションをとる
  3. 手を動かす

では、それぞれについて説明していきます。

1. 方針を決める

1つ目に重要な要素は、方針を決めるということです。基本的にマネージャーというのは、プロジェクトの実質的な責任者であることが多いです。つまり、業務として判断が必要なことは仕事を進めるためにマネージャーが決定しても良いわけです。例えば、クライアントが法律によりマニュアル整備が必要となった場合に、誰が作成するのか、どの水準のマニュアルを必要としているのか、いつまでに完成させるのかなど、決めなければならない事項が多岐にわたるわけです。マネージャーはこれらについてクライアントと協議し、合意を経てマニュアル完成を目指すわけです。

ところが、上述のマネージャーは、マニュアル作成が必要とわかると「あきおさん、グループ会社のマニュアルを参考にしてクライアントのマニュアルを一旦作成してみてください」と僕に作業を依頼してきました。当然僕は「一旦って何だよ!?」となるわけです。僕としてはクライアントと先に協議することを提案したのですが、「考えときますからとりあえず作ってください」との返事でしたので作成することにしました。しかし、どの水準を目指すのか、我々で勝手に作成してよいのか、期限はどうするのか等を聞いても「考えときます」という謎の返事ばかりなわけです。いや、やるって言いだしたからには決めろよ、と。

このように、何も方針を決定できない(作成するとは決めてますが・・・)マネージャーは非常に厄介な存在ということが身に染みて分かりました。丸投げダメ、絶対。

クライアントとコミュニケーションをとる

2つ目に重要な要素は、クライアントとコミュニケーションを取り、良好な関係を築くことです。

上記の例でも分かる通り、マネージャーはクライアントと良好な関係を維持して何でも確認できるようにする必要があります。実際にクライアントが何を希望しているかは確認しないとわからないですから。先ほどのマニュアルの例でいうと、結局クライアントから「マニュアルは我々で作成します」という返事をもらい、僕の作業時間が全て無駄になりました。マネージャーとしては予め作成することで感謝されようとしたのかもしれませんが、作業した側の人間としては言って非常に迷惑でした。だからクライアントに連絡しろって言ったのに・・・。

これ以外にも、このマネージャーがクライアントへ予め確認せずに想像で動いたことがダメになるケースが割と多く、僕を含めた部下の作業が水の泡になることが頻繁に発生しました。

これは1点目の「方針を決める」につながることかもしれませんが、マネージャーとしてクライアントとの良好なコミュニケーションをとるというのはかなり重要な役割となると思います。ニーズを汲んだ方向性を決められるマネージャーはクライアントから重宝され、部下からも信頼を得られますからね。

手を動かす

3つ目に大事なことは、実際に自分でも作業をするということです。これは全ての作業を自分が行うということではなく、ある程度自分でも作業を行ってみて、その経験を土台に方針を決定するのが良いということです。

というのも、僕が以前に関わっていたプロジェクトのマネージャーは全て自分で作業までやってしまう人で、クライアントのニーズ汲み取りとパワポのクオリティが非常に高く、仕事を一人で回してしまうため「僕はなにするねん」状態になりがちでした。必死こいてその人が作ったパワポを読み込んで自分でも作成できるようにし、何とか自分の仕事領域を少しずつ拡大していった記憶があります。

一方、今のマネージャーは自分で成果物を作成することは一切せず、全て部下に一から成果物を作成させようとしてきます。僕にプロジェクトの今後のスケジュールとそれをパワポに落としたものを作成するように依頼してきた時は耳を疑いましたが、枠だけ作成して今後の段取りを埋めてもらうようにしました。

また、自分が作業をしていないため、理解度が低くレビューの質も下がってしまうわけです。レビュー中に何度も質問され、いやそこは自分で調べろよ・・・ということになります。理解度が低いからクライアントへ説明するときもしどろもどろになることが多く、クライアントからの信頼をなかなか得られないことに繋がります。

まとめ

マネージャーとして大事なことを書くというよりは、仕事をしながらイライラして「方針決めてくれ!クライアントと連絡とってくれ!手を少しは動かしてくれ!」という気持ちと他の部下の叫びを聞いているうちに、この箇所について記事にしてやろうと思ったのが正直なところです。いわゆる愚痴ですね。ただ、数名の部下が同じ感想を抱くということは、ある程度ポイントを得ているものだと考えています。

ちなみに、このマネージャーは人としては「良い人」の部類に入ります。非常に親切だし、僕がこのプロジェクトに入ったときには半日以上かけてプロジェクトの説明を長々としてくれました(こういうのは監査法人の被監査部門では稀だと思います)し、一つ質問すると長時間かけて質問の周辺情報も含めてじっくりと回答してくれます。ちなみに、身バレを防ぐために具体例は脚色しています。もっとマシなところもありますし、もっとひどいところもあります。

※今回の例示は基本的に非監査業務のプロジェクトをもとに記載しましたが、これはどの中間管理職にも当てはまることだと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)